コラム

COLUMN

「RPA」と「AI-OCR」を活用した業務の効率化!~連携事例や導入のポイントをご紹介~

製造業のDXというと、ラインへのロボット導入や基幹システム刷新による一元的データ管理のような大々的な業務変革を想像する方が多いのではないでしょうか。しかし、これらの実現には長い年月や膨大なコストがかかることが少なくありません。一方、「紙の伝票内容をシステムに手打ちするために出社する」「月末の締め作業での残業する」などいわゆるノンコア業務と呼ばれる部分を減らすことで、少ないコスト・短い時間で生産性の向上を実現する取り組みが注目されています。

 

■せまられる 脱・紙文化

DXの推進を考えたときに避けては通れないのが、前段階であるデジタイゼーション(自動化や効率化)です。ノンコア業務においては紙文化からの脱却がデジタイゼーション実現の大きなカギを握っており、下図のような多くの業務に影響を及ぼします。

そこで注目されているのが、人間の”目”の役割をするAI-OCRと人間の”手”の役割をするRPAです。それぞれ単体では既に様々なシーンで活用されていますが、組み合わせることで業務全体のデジタル化を実現することが可能です。

 

■RPA×AI-OCRの事例

・パーソルプロセス&テクノロジーの支援事例

パーソルプロセス&テクノロジーの支援事例として、検品工程における測定結果の入力業務の自動化が挙げられます(下図参照)。単純な業務ではあるものの、測定数が膨大なため長時間の作業を要しておりミスも発生しやすくなっていましたが、RPAとAI-OCRを組み合わせることにより約97%の工数削減を実現しました。

 

■RPA×AI-OCR連携のポイント

パーソルプロセス&テクノロジーでは、RPAとAI-OCRを連携する際に下記の3点を意識して取り組んでいます。

 

現状の業務を自動化しようとすると、100%の精度で対応することが難しくなります。最適な画像確保のための前処理や後処理として自社テーブルとのマッチングで補正・加工を行うなど、できるだけ高い精度を確保できる業務プロセスが必要です。

 

AI-OCRでは読み取る箇所を指定して解析することが多いため、記入欄が人によって差があったりフォーマットが企業によって異なったりすると、設計に時間がかかる・思うような精度が得られない課題に陥ります。事前に帳票特性の識別を行い、読み取りに適した帳票へと選定・改善することが重要です。

 

RPAやAI-OCRは特別なスキルが不要と言われますが、Excelのように最低限抑えておくべきスキルや知識は存在します。少しの不具合でベンダーに改修を依頼すると費用対効果が低くなってしまうため、簡単な運用保守を行える人材を社内に確保することがオススメです。

これらのようにポイントを押さえて推進していくことで、自動化による多大な削減効果を見込むことができます。RPAやAI-OCRの効果があまり感じられないといった際はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。