コラム

COLUMN

事例から学ぶ!データドリブン経営実現のためのデータ活用方法とは?

 

現在、製造業を含めた世の中のあらゆる企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めています。そしてこれまで蔓延していたKKD(勘・経験・度胸)ではなく、データに基づいて意思決定を行うデータドリブンな経営は、自社の競争力維持・強化において大きな注目を集めています。

本コラムでは、データドリブン経営実現のためのソリューションや横河電機様の事例をご紹介します。

データドリブン経営を実現するソリューション

データドリブン経営を行う場合、BIツールを導入しビジュアル分析サイクルを回す企業が多く見られます。

BIツール

データドリブンを実現する手段の1つとして、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールが挙げられます。

※BIツール:Business Intelligenceツールの略で、企業が持つさまざまなデータを分析・可視化し、経営や業務に役立てるソフトウェアのことを指します。

 

ビジュアル分析サイクル

BIツールを導入しデータドリブン経営を実現する為には、”ビジュアル分析サイクル”を素早く繰り返し回す必要があります。

蓄積したデータを様々な観点で探索することでインサイト(洞察)を獲得し、そのうえでアクションを起こすことで質の高いアウトプットを出すことができます。

 

横河電機株式会社の事例紹介

上記の方法を使ってDXに取り組んでいる代表的な企業の一つに横河電機株式会社が挙げられます。

【事例1】販売データを用いた売上分析

背景

全世界の売上状況把握の為、各海外販売拠点からExcelファイルを集め手動でグラフ化をしていたが、分析にかかる工数の肥大化・拠点間の認識合わせの煩雑さによりスピード感や納得感を持ったアクションが行えていなかった

BI活用内容

①売上分析画面の作成

当年度の売上進捗を商品カテゴリ・組織等の切り口ごとに可視化することで、深掘り分析が可能になった。

②顧客分析画面の作成

顧客を新規・既存・睡眠顧客へとカテゴライズしたことで、顧客獲得状況が一目で分かるようになった。また、顧客ごとの売上推移や注文詳細まで確認できる画面を構築した。

※画面はイメージです

効果

  • 販売拠点側と事業本部側で同じデータを元にした分析・対話ができるようになった
  • 今までは担当営業の経験と勘に頼った販売活動であったが、ダッシュボードを使うことで対応優先順位の高い顧客が明確になった
  • 顧客の状況が見える化されることで潜在リードも拾えるようになり、機会損失を減らす事ができるようになった

 

【事例2】在庫データを用いた在庫分析

背景

在庫データは存在するが在庫状況確認や問題点の発見の為の有効活用ができておらず、機会損失や過剰コストを発生させてしまっている可能性が高かった

BI活用内容

①在庫回転率の可視化

製品ごとに在庫回転率を算出し、在庫回転率ごとのの製品分布を可視化した。

②在庫予測データの可視化

販売データを元に製品ごとの販売量を予測し現在の在庫数と比較することで、在庫過不足を判定した。

効果

  • 不動在庫を抱えている製品や高回転の製品の特定が可能となった
  • 予測データと在庫データを掛け合わせる事で、データを根拠に在庫発注を行う事が可能になった

 

■まとめ

今回ご紹介した通り、データドリブン経営実現のためには蓄積しているデータを適切な切り口で分析・可視化を行い、スピード感をもって経営層および現場にフィードバックする必要があります。また、多くのインサイトを獲得することで想定していなかった観点で企業成長のチャンスを得ることができます。

これからDXを始める企業様・すでに始めているがなかなか方向性が定まらない企業様はデータドリブンを意識した戦略を練ってみるのはいかがでしょうか。