Reports&Analytics データ集計方法 ~ 『カスタムトラフィック』と『カスタムコンバージョン』どちらを使用する? ~
Adobe Analyticsは計測データの自由度が非常に高く、対象サイト特有のデータ(ログインユーザーの情報やページ遷移に紐付く各種パラメータなどの情報)も集計することが可能です。
サイト特有のデータは、カスタムトラフィック変数(以下prop)やカスタムコンバージョン変数(以下eVar)を利用して集計することが出来ます。
propとeVarは、両方ともカスタムレポートのデータ集計の為の変数ですが、その振る舞いやレポートへの出力結果には差異がある為、その特性を理解した上で使用する必要があります。
変数について
prop
- ・有効期限の概念がなく、変数にデータが渡されたタイミングでのみ値をカウント
- ・1つのpropに複数個のデータをセットすることが可能(リストprop)
- ・パスレポートを表示することが可能
- ・クロス集計は複数個の変数を掛け合わせることが可能
- ・eVarとのクロス集計は不可
- ・クロス集計をした場合、指標はインスタンスに固定される
- ・リアルタイムレポートが使用可能
eVar
- ・有効期限を設定する必要があり、その期限内で集計値を保持し続ける
- ・成功イベントのクレジットを受け取ることができる
- ・クロス集計にて掛け合わせられる変数は2つまで
- ・propとのクロス集計は不可
- ・クロス集計をする場合、インスタンスの他にも様々な指標を選択することが可能
- ・リアルタイムレポートは使用不可
具体例
具体例として、とあるECサイトにて「サイト内検索」データを、
propおよびeVarの両方を用いて集計するケースについて考えます。
この場合、propとeVarの両変数にセットされるデータは下記の様になります。
変数 | ページ1 | ページ2 | ページ3 | ページ4 | ページ5 |
---|---|---|---|---|---|
prop | なし | なし | IBS | なし | なし |
eVar | なし | なし | IBS | IBS | IBS |
※eVarの有効期限を訪問に設定
propはサイト内検索が発生したタイミングでのみ値がセットされるのに対して、eVarは一定期間内で値を保持する特性があります。上記例の場合は、ページ3で検索されたキーワード「IBS」はページ4、ページ5でもeVarに保持され続けます。
各指標データについては次の様な値が出力されます。
特にPV数については、propとeVarにて差異が生じるケースがあるため注意が必要です。
変数(変数値) | ページビュー数 | 訪問回数 | 売上高 | インスタンス |
---|---|---|---|---|
prop(IBS) | 1 | 1 | クレジットを 受け取れない |
1 |
eVar(IBS) | 3 | 1 | 1,000 | 1 |
※パーティシペーション有効化時にはpropでもクレジットを受け取ることが可能
※インスタンスは変数にデータがセットされた回数
まとめ
主な使い分けとしては、単純に検索回数がどの程度発生したかを調査したい場合はpropを、
検索結果の後にどの程度ページ閲覧に繋がったのか?どの検索キーワードが売り上げに貢献しているのか?などを調査する場合はeVarを使用致します。
また実際にはpropとeVarにて用途が異なるため、両変数にて同じ検索キーワードを集計するケースは多くございます。
(ツール実装の際に、propとeVarどちらの変数を使用するかで悩んでいる場合は両方を使用する選択肢もご検討してみて下さい)
パーソルビジネスプロセスデザインのWebアナリティクスサービス