どのBIツールを選ぶ? Tableau、Power BI、Looker Studioの違いを比較表で解説!
データ分析やデータドリブン戦略に向け、BIツールの導入を検討しているものの、どのBIツールを導入すべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか?
各ツールにはそれぞれの強みと弱みがあるため、組織のニーズや予算、既存のインフラとの相性を踏まえて最適なツールを選ぶことが大切です。
この記事では、メジャーな3つのBIツール「Tableau」「Power BI」「Looker Studio」の違いや特徴をわかりやすく解説いたします。
この記事を参考にして、あなたの企業に最適なツールを選択しましょう。
目次
- 1.Tableauの特徴
- 2.Power BIの特徴
- 3.Looker Studioの特徴
- 4.Tableau、Power BI、Looker Studioの比較表
- 5.Tableauの各製品
- 6.Power BIの各製品
- 7.Looker Studioの各製品
- 8.まとめ
- 9.無料テンプレートのご案内
1.Tableauの特徴
まずはTableauです。
Tableauは、多くの企業にとってデータビジュアライゼーションとビジネスインテリジェンスの先駆者ともいえるBIツールであり、その操作の簡単さと強力な機能で広く評価を受けています。
具体的な特徴やメリットを深掘りしてみましょう。
直感的な操作性
Tableauの最大の特徴の一つは、その直感的な操作性です。ユーザーはドラッグ&ドロップで簡単にデータをビジュアル化することができ、データ分析の専門知識がない人でも簡単に使いこなせます。
データのインポートからビジュアル化、ダッシュボードの作成までがスムーズに行えるため、短時間でデータを見える化することができます。
高度なビジュアライゼーション機能
Tableauは多様なビジュアライゼーションオプションを提供しており、折れ線グラフ、棒グラフ、円グラフ、地図など、さまざまな形式でデータを表示できます。
この機能により、ユーザーはデータの全体像や詳細を一目で理解できるようになります。
また、ダッシュボードを使えば、複数のビジュアライゼーションを組み合わせて一つの画面で表示することができ、データの総合的な分析が可能です。
データ統合と接続性
Tableauは、さまざまなデータソースとの接続が非常に簡単です。
Excel、Google Sheets、SQLデータベース、クラウドストレージ、ビッグデータ環境など、多岐にわたるデータソースを統合できます。
これにより、異なるシステムやデータベースからのデータを一元管理し、総合的なデータ分析が可能になります。
リアルタイムデータ更新
Tableauはリアルタイムでデータを更新する機能を持っています。これにより、最新のデータを基にした分析が常に可能となります。
ビジネスの現状をリアルタイムで把握し、迅速な意思決定を行う上で非常に強力なツールです。
カスタマイズ性と拡張性
Tableauは、高度なカスタマイズが可能であり、ユーザーは独自の分析ニーズに合わせてカスタマイズすることができます。
PythonやRなどのプログラミング言語とも連携でき、高度なデータ分析や機械学習モデルの適用も可能です。
また、APIを使用して他のシステムやツールと統合することも可能で、柔軟な拡張性があります。
セキュリティとコラボレーション
企業のデータセキュリティを確保するために、Tableauは強力なセキュリティ機能を提供しています。
ユーザー権限の設定やデータの暗号化、シングルサインオン(SSO)などの機能が組み込まれており、安全にデータを管理することができます。
また、クラウドベースやオンプレミスのバージョンを利用することで、チーム全体でリアルタイムにデータを共有し、共同作業が容易になります。
コミュニティとサポート
Tableauには広範なユーザコミュニティがあり、公式フォーラムやオンラインリソースを通じてサポートを受けることができます。
ユーザー同士での情報交換や問題解決が行えるため、新しいユーザーでも安心して利用することができます。
また、Tableauの公式トレーニングプログラムや認定試験を通じて、スキルを強化することも可能です。
デモや試用版の提供
Tableauは無料のトライアル版を提供しており、導入前に実際の機能を試すことができます。
これにより、自社のニーズに合ったツールかどうかを確認することができます。
また、デモセッションを通じて専門的なサポートを受けることも可能です。
総じて、Tableauはその直感的な操作性、強力なビジュアライゼーション機能、拡張性、徹底したセキュリティ管理、そして充実したサポート体制で、多くの企業に支持されています。
特にデータの可視化やリアルタイム分析を重視する企業にとって、非常に強力なパートナーとなるでしょう。
メリット
- 操作が直感的:ドラッグ&ドロップで簡単にデータをビジュアル化できます。データの知識があまりない人でも使いやすいのが特徴です。
- 高機能なビジュアル化:多様なグラフやダッシュボードを作成できます。複雑なデータでも見やすく整理できます。
- データの統合:複数のデータソース(Excel、Google Sheets、データベース、CSVファイルなど)を簡単に統合できます。
デメリット
- コストが高い:Tableauのライセンス費用は比較的高めです。中小企業やスタートアップにはコストが負担になるかもしれません。
- カスタマイズ性:ユーザーインターフェースは直感的ですが、細かいカスタマイズをするときにはある程度の技術知識が必要になることがあります。
2.Power BIの特徴
次にPower BIについてです。
MicrosoftのPower BIは、BIツールの中でも特に高いコストパフォーマンスを誇るツールです。
特に既にMicrosoft製品を使用している企業にとっては、その統合性と使い勝手の良さが大きな魅力となります。
ここではPower BIの主な特徴を詳しく解説します。
コストパフォーマンス
Power BIは非常にリーズナブルな価格設定が特徴です。
基本的な機能を利用するためのPower BI Desktopは無料で提供されており、初めてBIツールを導入する企業や個人にとって非常に魅力的です。
より高度な機能やクラウドベースの共有機能を利用するためのPower BI ProやPower BI Premiumも、他のBIツールと比較してコストパフォーマンスに優れています。
Excelとの高い互換性
Power BIの大きな特徴の一つは、Excelとの高い互換性です。
多くの企業が既にExcelを業務で使用しているため、Excelからのデータインポートが非常にスムーズです。
熟練したExcelユーザーにとって、Power BIのインターフェースは馴染みやすく、データの操作やビジュアル化が直感的に行えます。
これにより、Excelで行っていた作業をそのままPower BIに移行することが容易になります。
リアルタイムデータの更新
Power BIはリアルタイムでデータを更新する機能を持っており、最新のデータを基にした分析が可能です。
これにより、ビジネスの現状を常に最新の状態で把握し、タイムリーな意思決定が行えます。
例えば、売上データや在庫管理データをリアルタイムで確認し、迅速に対応することができます。
高度なデータ分析機能
Power BIは高度なデータ分析機能を提供しており、複雑なデータを簡単に操作することができます。
データのクリーニング、トランスフォーメーション、統計分析など、多様な機能が揃っており、データサイエンティストやアナリストにとって非常に有用です。
また、DAX(Data Analysis Expressions)という独自の数式言語を使用することで、さらに高度な分析が可能です。
Microsoft 365との統合
Power BIは、Microsoft 365(旧Office 365)とのシームレスな統合が可能です。
これにより、既存のMicrosoftツール(Excel、SharePoint、Teamsなど)と連携し、データの一元管理と作業効率の向上が図れます。
例えば、SharePointに保存されたデータをPower BIで可視化し、Teamsで共有することで、部門間の情報共有とコラボレーションがスムーズになります。
APIとカスタマイズ
Power BIは豊富なAPIを提供しており、他のシステムやツールとの連携が非常に簡単です。
これにより、自社の業務プロセスに合わせたカスタマイズが可能で、柔軟性が高いのが特徴です。
例えば、自社のERPシステムやCRMシステムと連携し、必要なデータを自動的に取得し、分析することができます。
セキュリティとコンプライアンス
Power BIは、データセキュリティとコンプライアンスに非常に注意を払っており、企業のデータを安全に管理するための多くの機能が提供されています。
アクセス制御、データの暗号化、監査機能など、さまざまなセキュリティ対策が組み込まれているため、安心して利用することができます。
また、GDPRなどの規制にも対応しているため、国際的なビジネスでも問題なく使用できます。
ユーザコミュニティとサポート
Power BIには広範なユーザコミュニティがあり、公式フォーラムやオンラインリソースを通じて問題解決や情報共有が行えます。
また、Microsoftの公式サポートも充実しており、導入から運用まで安心して利用することができます。
多くのトレーニングリソースや認定資格もあり、スキル向上に役立てることができます。
総じて、Power BIはその高いコストパフォーマンス、Excelとの優れた互換性、強力な分析機能、そしてMicrosoftツールとのシームレスな統合が特徴です。
特に、Microsoft製品を既に利用している企業にとっては、非常に使いやすく効率的なツールとなるでしょう。
メリット
- コストパフォーマンスが高い:他のBIツールに比べて価格が手頃で、性能も高いです。特にExcelを使用している企業にはオススメです。
- Excelとの連携:Excelでのデータ操作に慣れている人にとっては非常に使いやすいです。ExcelのデータをそのままPower BIに移行できます。
- Microsoft製品との統合:Office 365やAzureなど、他のMicrosoft製品とシームレスに統合できます。
デメリット
- 操作が少し複雑:機能が豊富な分、使いこなすには時間がかかる場合があります。直感的に使うのは少し難しいかもしれません。
- データ量の制限:無料版だと使用できるデータ量に制限があります。大量のデータを扱うには有料プランが必要です。
3.Looker Studioの特徴
最後にLooker Studioです。
Looker Studio(旧:Google Data Portal/データポータル)はGoogleが提供するクラウドベースのBIツールで、特にGoogleサービスとの深い連携と使いやすさが特徴です。
ここでは、Looker Studioの詳細な特徴について解説します。
Googleサービスとのシームレスな統合
Looker Studioの最大の利点の一つは、Googleサービスとの高い連携性です。
Google Analytics、Google Ads、Google BigQueryなど、他のGoogle製品と簡単に統合できるため、ウェブ解析や広告効果の測定が非常に容易です。
この統合性により、データの収集から分析、可視化までを一つのプラットフォーム内で完結することができます。
無料で利用可能
Looker Studioは基本的な機能が無料で提供されており、初期コストを抑えたい企業や個人にとって非常に魅力的です。
多くのBIツールが有料である中で、無料で強力なデータビジュアライゼーション機能を利用できるのは大きなメリットです。
ただし、企業の成長に伴ってより高度な機能が必要になった場合には、他の有料サービスとの併用を検討する必要があるかもしれません。
直感的なインターフェース
Looker Studioは非常に使いやすいインターフェースを提供しており、BIツールに不慣れなユーザーでも簡単に操作できます。
ドラッグ&ドロップでデータを設定し、様々なビジュアライゼーションを作成することが可能です。
これにより、短時間でデータの可視化が行え、迅速な意思決定がサポートされます。また、データのレポート作成や共有も非常に簡単で、チーム全体でのコラボレーションがスムーズに行えます。
多様なデータソースのサポート
Looker Studioはさまざまなデータソースに対応しており、Googleサービス以外のデータにも接続可能です。
例えば、MySQL、PostgreSQL、Microsoft SQL Serverなどのデータベースや、CSV、Excelファイルといったデータを取り込むことができます。
この多様なデータソースのサポートにより、企業の多岐にわたるデータを一元的に管理し、総合的な分析が可能となります。
リアルタイムデータ更新
Looker Studioでは、リアルタイムでデータを更新する機能があります。これにより、最新のデータを常に基にして分析を行うことができ、ビジネスの状況を瞬時に把握できます。
特に、動的な市場環境や迅速な意思決定が求められる状況では、リアルタイムデータの更新は非常に重要です。
コミュニティとサポート
Looker Studioには広範なユーザーコミュニティがあり、公式フォーラムやGoogleのヘルプセンターを通じてサポートを受けることができます。
また、多くのオンラインリソースやチュートリアルが提供されており、初心者から上級者まで幅広いユーザーがスキルを向上させることができます。
コミュニティの活発な情報交換やベストプラクティスの共有も、Looker Studioの利用を促進しています。
モバイル対応
Looker Studioはモバイルデバイスからのアクセスにも対応しており、どこからでもデータを確認することができます。
これにより、外出先やリモートワークでもリアルタイムでデータにアクセスし、必要な情報を即座に確認して意思決定を行うことができます。モバイル対応は、現代のビジネス環境において非常に重要な要素です。
拡張性と柔軟性
Looker Studioは、APIを利用して他のツールやシステムと連携することが可能です。
これにより、自社の業務プロセスに合わせて柔軟にカスタマイズし、必要な機能を追加することができます。
また、Looker StudioはGoogle Cloud Platform(GCP)との統合もスムーズで、クラウドベースのビッグデータ分析や機械学習を活用する企業にも適しています。
セキュリティ
Googleが提供するサービスということもあり、Looker Studioはセキュリティに非常に注意を払っています。
データの暗号化やアクセス権限の管理がしっかりと行われており、安心してデータを管理・分析することができます。
また、Googleのセキュリティ基準に準拠しているため、データの安全性が確保されています。
総じて、Looker StudioはそのGoogleサービスとの高い連携性、使いやすいインターフェース、無料で利用できること、多様なデータソースのサポートといった特徴があります。
特に、Googleのエコシステムを活用している企業にとっては非常に便利なツールと言えるでしょう。
データの可視化と分析を手軽に始めたいと考えている企業には、Looker Studioは理想的な選択肢です。
メリット
- 無料で利用可能:基本的な機能は無料で利用できます。初期コストを抑えたい企業にはピッタリです。
- Googleサービスとの連携:Google AnalyticsやGoogle Adsなど、他のGoogleサービスと簡単に連携できます。
- 使いやすいインターフェース:シンプルで使いやすいインターフェースが特徴です。BIツール初心者でも簡単に操作できます。
デメリット
- データソースの制限:Google系のサービスとの相性は良いですが、他のデータソースとの連携には限界があります。特に企業データベースとの統合には工夫が必要です。
- 機能が限定的:無料で使える反面、高度なビジュアル化やカスタマイズには限界があります。
4.Tableau、Power BI、Looker Studioの比較表
以下に、それぞれを簡単に比較した表を掲載します。
製品名 | ライセンス別利用料 | 価格(参考・月額) | 主な特徴 |
---|---|---|---|
Tableau | Tableau Viewer | 約$12/ユーザー | ダッシュボードの表示と操作が可能。 |
Tableau Explorer | 約$42/ユーザー | データの探索と簡単な編集機能が利用可能。 | |
Tableau Creator | 約$70/ユーザー | フル機能のデータ分析とビジュアライゼーションが可能。 | |
Power BI | Power BI Desktop | 無料 | 基本的なデータ分析とレポート作成機能を提供。 |
Power BI Pro | 約$10/ユーザー | 高度な共有機能とデータのコラボレーションが可能。 | |
Power BI Premium Per User | 約$20/ユーザー | エンタープライズ機能と大規模データ分析をサポート。 | |
Power BI Premium | $4995/キャパシティー+ Power BI Proライセンスが必要 | 企業全体で利用可能なエンタープライズ向けの大容量データ分析。 | |
Looker Studio | 基本利用 | 無料 | Googleサービスとのシームレスな連携と主要機能の提供。 |
各ツールの利用料や特徴から、自社に合ったBIツールを選定しましょう。
各BIツールにはデスクトップ版とクラウド版があります。
それぞれの違いを理解することで、より最適なツールを選ぶことができます。
5.Tableauの各製品
Tableau Desktop
- 概要:ローカルでインストールして使用するバージョンです。データの取り込みからビジュアル化、ダッシュボード作成まで、すべての基本的な機能を備えています。
- 特徴:
- オフラインでも使用可能
- 複数のデータソースを簡単に統合可能
- 高度なビジュアライゼーション機能を提供
Tableau Cloud(旧Tableau Online)
- 概要:クラウド環境で提供されるバージョンです。インターネット経由でどこからでもアクセスでき、チーム全体での共有が簡単になります。
- 特徴:
- インフラ管理不要
- スケーラビリティが高い
- リアルタイムでデータと連携
- チームでのコラボレーションが容易
Tableau Server
- 概要:企業のオンプレミス環境でホストするためのバージョンです。企業内でのデータセキュリティを確保しながら、Tableauの全機能を利用できます。
- 特徴:
- セキュリティ管理が容易
- 大規模なデータセットに対応
- カスタマイズと統合が可能
- 自社のインフラ内で管理
6.Power BIの各製品
Power BI Desktop
- 概要:ローカルでインストールして使用するバージョンです。データの取り込み、ビジュアル化、レポート作成を行うためのツールです。
- 特徴:
- 無償で使用可能
- Excelとの高い互換性
- 高度なデータ整形機能
Power BI Service
- 概要:クラウド上で提供されるバージョンです。レポートやダッシュボードの共有、管理が簡単です。
- 特徴:
- ウェブブラウザからアクセス可能
- 自動更新機能
- モバイルデバイスからのアクセスが可能
- リアルタイムでのデータ更新
Power BI Report Server
- 概要:企業内のオンプレミス環境でホストするためのバージョンです。Power BIのレポートを社内環境で共有することを目的としています。
- 特徴:
- セキュリティ管理が容易
- 月次アップデートに対応
- 自社のインフラ内でのデータ管理
7.Looker Studioの特徴
Looker Studio
- 概要:Googleが提供するクラウドベースのBIツールです。Looker Studioにデスクトップ版はなく、主にウェブブラウザからアクセスします。
- 特徴:
- 無料で利用可能
- Googleサービストのシームレス連携
- 使いやすいインターフェース
- オンラインでのコラボレーションが容易
8.まとめ
BIツールの導入を検討する際には、自社のニーズや予算、データソースとの連携をしっかりと確認しましょう。
今回はTableau、Power BI、Looker Studioの3つのツールについてご紹介しましたが、他にも多くのBIツールがあります。
最適なツールを選ぶことで、データの活用がスムーズになり、ビジネスの成長につながります。
データの力を最大限に引き出し、業績アップを目指すためにも、自社に合った最適なBIツールを選定しましょう。
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