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開催レポート:【Web開催】DX時代、企業が取り組むべきキャリア形成支援とは? ~1300名のビジネスパーソンの「キャリア資産」調査結果をもとに考える~

開催

2021年8月31日(火)に開催されたイベントのレポートです。

本イベントでは、「キャリア資産」調査の結果を振り返りながら、独自の「キャリア資産アセスメント」を用いて、今後の企業・個人のキャリア形成に必要となる考え方・施策を明らかにし、企業の成長支援施策をともに考えます。

##基調講演 企業の人的資本を最大化するために

<スピーカー>
法政大学 キャリアデザイン学部 教授
一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事
株式会社キャリアナレッジ 代表
田中 研之輔 氏

まず冒頭に、一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事の田中 研之輔 氏に企業の人的資本を最大化するために、企業が行っていくべきことをお話しいただきました。
人生100年時代、企業内キャリア形成には3つの課題があると田中氏は語ります。

1.ファーストキャリア形成期の「不透明なキャリア展望」
2.ミドルシニアキャリア形成期の「組織内キャリア依存」
3.ポストオフ後の「キャリア失墜」とモチベーション低下

つまり、1つの組織でキャリアを積み重ねていくのは難しい時代が訪れていることを意味しています。

そんな時代の中で現在人事・キャリア部門に求められていることは以下です。
・オンライン業務で「見えにくくなった成果」の「可視化」
・多様な働き方への「客観的な指標」
・人的資本データの「経年分析」

これまでの組織内キャリアだけではなく、越境経験などを通じて自律的なキャリアを築くこと(=プロティアン・キャリア)が求められています。

プロティアン・キャリアを推進するにあたり、企業は人材戦略の重要度を見直す必要があります。現在は経営戦略を最優先で策定し、後から人材戦略を立てることがほとんどです。
結果、どうしてもタイムラグが起きてしまいます。
そこで、経営戦略・キャリア(人材)戦略・事業戦略を同時に策定し、各戦略で連携することを田中氏は提案します。

また、さまざまな場所で活躍の場を広げるプロティアン人材を増やしていくためには、
自分は何が得意なのか、どのようなスキルを持っているのかというキャリアを可視化できることがとても大事になります。

経営戦略と人事戦略ををフラットに策定し、キャリアの開発工程を定量的・定性的にデータ分析することがキャリア自律人材を増やすための大きな一歩になっていくのです。

##プロティアン・キャリア開発の最前線

<スピーカー>
一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事
4designs株式会社代表取締役CEO/ファウンダー
MBA/キャリアコンサルタント/中小企業診断士
有山 徹 氏

田中氏に続いて、同じく一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事である有山 徹 氏に同協会での活動や活動内でよく聞かれるBEST4の質問を発表いただきました。

▼一般社団法人プロティアン・キャリア協会
https://protean-career.or.jp/

同協会では、個人向けから法人向けまでを対象にオンライン・オフラインのさまざまな学びの場を用意しています。

今回は法人商談でよく聞かれることBEST4をご紹介いただきました。

Q:①プロティアンを導入すると何が変わる?
A:最新理論でキャリアを過去から未来志向で考えることができるようになり、当事者意識を醸成できる。結果、組織に対してのアプローチも変わってくる。

Q:②プロティアンはどの層から?全社?年代別?経営層?現場層?
A:理想は全社で取り組むことだが、部分的に始める場合はトップダウンで管理者層から始めるか、ボトムアップで現場層から始めるか、組織の風土によって決めていく。

Q:③人事制度改訂のタイミングで取り入れるのがよい?関係ない?
A:常に変化する時代のため、実行しながら柔軟に戦略変更をするのが大切。

Q:④プロティアン(キャリア自律)で優秀な人材は辞めない?
A:辞めない。むしろ、自分のアイデンティティがはっきりして共感度がアップすることもある。もし自分のアイデンティティと方向性が違う場合は、中長期的には離れる場合もある。

新しい考え方(プロティアン)を導入することに対しての不安が1つずつ解けていくような時間でした。

##自律型キャリア形成支援プログラムのご紹介

<スピーカー>
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
ワークスイッチ事業部 事業開発統括部 部長
事業構想士(MPD)/総務省委嘱テレワークマネージャー/プロティアン認定ファシリテーター
成瀬 岳人

プロティアン・キャリアの1つの実現手法である複業制度の活用を支える仕組みとして「プロテア」というサービスをパーソルプロセス&テクノロジー株式会社で提供しています。

▼プロテア
https://www.persol-pt.co.jp/protea/

田中氏もこれから重要になってくると述べていた「キャリア資産の可視化」ができる仕組みを独自で開発しました。

企業がぶつかる複業の壁は2つあります。
・企業として複業を認めるか
・解禁したが、みんな取り組まない

この2つの壁を乗り越えるために、導入にあたってのコンサルティングや越境経験の機会提供、内省の促進など、企業と従業員が複業をはじめ越境経験を通じて成長していけるよう、キャリア自律支援サービスを提供しています。

複業は、企業のキャリア自律支援の手段のひとつです。「プロテア」では、複業だけではなく、キャリア資産を可視化することで本業も含めた様々なキャリア支援をアップデートすることが可能です。

企業の人事戦略としてキャリア自律人材を育成していくこと、
これが今の日本に求められている変化なのだと感じた時間となりました。

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