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開催レポート:【Web開催】複業人事戦略会議 #3
~複業で拡がる人脈、本業にも活かせる社外ネットワークの価値~

開催

「複業人事戦略会議」第3回が2021年07月28日(水)に開催されました。

<複業人事戦略会議とは?>
2020年に全5回で開催した「副業活用勉強会」を経て、複業を人事戦略にしていくことをゴールに置き、各回さまざまなテーマを扱いながら複業を取り巻く制度や背景について理解を深めていく会です。

##複業実践者トーク

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社ワークスイッチ事業部 部長 / 事業構想士の成瀬より、複業と社会関係資本の関係性についてご紹介しました。

『LIFE SHIFT』(リンダ・グラットン 著)の中では、目に見える有形資産に対する無形資産の一つにキャリア資産があると述べられています。そして、キャリア資産と合わせて、キャリア資本という考え方があります。いずれも、戦略的に未来のキャリアをつくっていくための考え方です。資本を貯めていくことで資産価値を高めていくことができます。
キャリア資本とは何か。大きく3つあると考えられています。

1.ビジネス資本…知識や学び、専門性の向上
2.社会関係資本…人脈やコミュニティを広げる
3.経済資本 …将来に向けた貯蓄や自己投資→稼ぐ力をつける

なかでも、ビジネス資本と社会関係資本が高まっていくと経済資本に転換されていき、自分で稼ぐ力がつく。つまりキャリア自律にもつながると、プロティアン・キャリアの視点からも言われています。

ここまでの話から個人にとって社会関係資本が重要なことがわかりました。
では、企業にとって社会関係資本を持つ意味とは何なのでしょうか。

社内にいるだけでは持てなかったであろう人脈を多様な社員がもつことで、組織内にも還元されることになります。個々人の社会関係資本は、組織の人的資本になりうるのです。
つまり、社員個々人の成長が組織の成長につながるため、企業にとっても社会関係資本は重要です。

社会関係資本を広げる1つの方法である複業制度の活用を支える仕組みとして「プロテア」というサービスをパーソルプロセス&テクノロジー株式会社で提供しています。

▼ プロテア
https://www.persol-pt.co.jp/protea/

また、新たに支援メニューの提供を開始しました。
・キャリアセッション&キャリア資産可視化
・複業制度 活用支援

##ソーシャルキャピタル(社会関係資本)が社会人としてどのように価値を高めていくか

社会関係資本が大事なことはわかった。しかし高めるためにできることとは何なのか。

Spready株式会社 Co-Founder 取締役の柳川 裕美氏に『Spready』で広げる社会関係資本についてお話いただきました。
『Spready』は、企業がプロジェクトを進める上で協力者が欲しい際に
サービス登録者(スプレッダー)が適した知人を企業に紹介することで成り立つサービスです。

▼ Spready
https://spready.jp/

『Spready』は社会関係資本を高めるためのサービスです。
誕生の背景には以下のような背景がありました。

・VUCA時代:将来の予測が困難
・CSR:企業として社会とつながり、社会から評価を得ることを重要視
・社員のメンタル維持:社会的つながりが希薄化

オンラインで社会とつながることに重きを置くようになったことがあります。

企業に知人を紹介してもスプレッダーにはフィーは発生しません。
紹介するモチベーションは新しい事業や人とのつながりを求める好奇心、
そして誰かのためになることをしたい貢献心とのこと。

そのため、「売りたい!」よりも「解決したい!」という想いが強い依頼の方が人気が高いようです。

企業担当者と友人のように仲良くなることもあるのだとか。
利害関係つながらないことにより、お互い自己開示ができることもこのサービスの強みです。まずは人脈を増やしたい、という方は始めてみてはいかがでしょうか。

##複業実践者トーク

商社で働きながら、社外でやりたいことを見つけ、社会関係資本を広げてきた総合商社 経営企画部 / ANOTHER TEACHER代表の小澤 悠氏にパーソルプロセス&テクノロジー株式会社ワークスイッチ事業部 / 複業促進アドバイザーの宮崎がお話を伺いました。

小澤氏は3つのわらじを履いています。
1.総合商社で新事業の企画
2.『ANOTHER TEACHER』の代表
3.『天才バンク』の運営

『ANOTHER TEACHER』では「日本人全員を”せんせい”に」という理念で学校に社会人を”せんせい”として送ったり、大人と子どもで一緒に未来を考えるワークショップを行ったりする活動を通して教育現場を盛り上げています。
『天才バンク』では「一人一つは天才であるものがある」、という理念のもと小学生からお年寄りまでが参加するというオンラインファミリープラットフォームの運営をされています。

▼ ANOTHER TEACHER
https://another-teacher.themedia.jp/

▼ 天才バンク
https://tensaibank.thebase.in/about

マルチに活躍されている小澤氏ですが、最初からこのように輝いていたわけではなかったそうです。
本職の商社では「仕事ができない人」として部署をたらい回しにされたいた時期があり、落ち込んでいたそうです。仕事の楽しさを見つけられず転職活動もしていたとか。

そんな折に上司と話す機会があり、会社の文句や自分の夢を話したところ
「会社を良くしようと思って何か行動したか?」と問いかけられたのです。

その言葉でハッとさせられたことで、社内での動き方が変わります。

部署を異動し、テレワークの普及などに取り組んだそうです。
そして自分は人前で話すことや、人を集めることが得意だと知ることができました。

自分の得意を活かしつつ、やりたいことをはじめることもできました。
すると、本業と複業どちらにも還元されることがあったそうです。

複業での活動方針に共感してくれる人が本業のつながりで多くあり、
本業での新規事業を進める上で複業での人脈が活きたそうです。

さまざまつながりが生まれる中で本業先の会長にも自身の活動を知ってもらうことができたそうです。

本業だけでなく、複業を始めることで新たな出会いやつながりを知ることができたと小澤氏は語ります。
輝ける場所は今いる場所ではないかもしれない。
「やりたいことを見つけたら、やっちゃえ!」その一言に説得力を感じたお話でした。

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