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開催レポート:【Web開催】複業人事戦略会議 #1
~複業をトラブルにせず、ポジティブなものとする予防線とは~

開催

企画会議の第0回を経て「複業人事戦略会議」の第1回が2021年05月21日(金)に開催されました。

<複業人事戦略会議とは?>
2020年に全5回で開催した「副業活用勉強会」を経て、複業を人事戦略にしていくことをゴールに置き、各回さまざまなテーマを扱いながら複業を取り巻く制度や背景について理解を深めていく会です。

##DXと複業

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社ワークスイッチ事業部 部長の成瀬より、DX化に欠かせない「複業」についてご紹介しました。

DX化を進めるなかで、ワークスタイルのDXも起きていると成瀬は考えます。
ワークスタイルDXとは、
・働き方改革で時間制約から、
・テレワークへの対応で場所制約から、
・キャリア自律、複業促進によって所属制約から
解放されることを指します。

企業が複業を推進していくことで、自律的なキャリア開発」と越境学習を促し、結果として組織や事業の変革を推進できる個人を増やすことができます。

とはいえ、複業を認めていない企業は多くあります。
推進していくためには、複業の活動と効果の可視化と複業リテラシーの教育が必要です。

また、ルール・制度だけではなく、企業と個人の新たな関係を築く必要があります。
新たな関係を支える仕組みとして「プロテア」というサービスをパーソルプロセス&テクノロジー株式会社で提供しています。

▼プロテア
https://www.persol-pt.co.jp/protea/

##予防的観点で見る、複業の組織と個人のあるべき関係性

企業はさらに複業人材を増やしていくことが期待されていますが、まだまだ「許可制」「禁止」としている割合が半数以上なのが現状です。
複業を認めないことで生まれる企業側のリスクとは何なのか。
日比谷タックス&ロー弁護士法人 堀田 陽平氏に法的な観点からお話いただきました。

そもそも、複業は法的に一度も禁止されたことはないうえに、政府は推進の立場をとっています。
背景として、さまざまな場所での越境経験を生かしたイノベーションの創出や、異業種でも活躍できる人材を増やすことが期待されています。

しかし、「やりたいけどできない」という人が増える一方。
その原因は、「複業禁止」の4文字です。

複業は法的には禁止されていないのに、企業が禁止している。
このねじれにより企業は

①不法行為をしてしまう
②伏業の発生

というリスクを伴っています。

とくに伏業は、会社に伏せて複業を行うため、問題が起きた時には手遅れになる場合があります。

問題を未然に防ぐためにも、複業を正面から認め、社内ルールを整備することが必要なのです。堀田氏が提案するルール整備のポイントは4つ。

①許可基準の明確化
②事前申請、許可制度、取り消し制度の設置
③誓約書の提出
④「管理モデル」の活用

企業の基準としてなにをもって複業を許可 / 不許可にするのか、
複業者は何を守った上でどのような複業にどれだけの時間かかわるのか。
明文化して共有することが、まわりまわって予防になるということです。

なによりも、複業での活動について共有する場を設けるなど、オープンな組織風土を作ることが一番の予防策だということでした。

##弁護士さんの越境活動について聞いてみた

実は堀田氏、弁護士事務所から経済産業省へ出向、再度弁護士事務所で勤務するという少し変わったキャリアをお持ちの方です。なぜ、あえて全く違う畑に行ったのか。
堀田氏が歩んだキャリアの裏側をパーソルプロセス&テクノロジー株式会社ワークスイッチ事業部 複業促進アドバイザー 宮崎がインタビューをしました。

「弁護士以外のこともやりたい!」

それが出向の一番の理由だったそうです。
きっかけは、学生時代まで遡ります。
高校生のときの夢はお笑い芸人、大学生の最初の頃は警察官を目指していたそうです。

夢がたくさんあったため、弁護士になった際も、1つではなくたくさんのことにチャレンジしたいと思っていたことから、出向することになりました。

違う業界・職種に出向してみて、ともに動くチームの人数、会える人の数や広さなど、多くの違いを目の当たりにします。

その中でも、さまざまな分野の専門家の方に会うことができたのは、刺激になっただけでなく、人脈を広げることにもなりました。

この越境経験を通して学んだのは、法的な観点で答えるだけでなく、相手の上位の理想を知った上で答えることの大切さ。
出向を終えてどの方向に進むか考えた結果、「フラットな立場から、さまざまな企業・人に関わる弁護士」になる道を選んだそうです。

1箇所だけなく、複数の場所で働いた経験が本業にも、キャリア形成にも影響を与えていることをひしひしと感じたお話でした。

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