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開催レポート:企業向け副業活用勉強会【第5弾】
~アルムナイによる新たな複業の形~

開催

全5回にわたる副業活用勉強会の最終回である第5回が2021年3月19日(金)に開催されました。

<副業活用勉強会とは?>
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社が提供する、企業向け複業支援サービス『プロテア』が運営するオンライン・コミュニティ型イベントです。副業導入を企画・検討している企業人事のための、情報発信・情報交換を目的として毎月1回開催しています

##求められる、企業と個人の新たな関係

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社ワークスイッチ事業部/事業開発統括部 部長の成瀬より、副業のトレンドについて紹介しました。

現状、20代の副業志向が最も高まっており、収入目的に次いで キャリアの可能性につなげたいという目的で志向しています。

また、会社に期待していることは「副業OK」になること。
期待する一方で、なかなか容認されない状況に、 会社へ申請を出さないまま副業に取り組む人は副業者の約50%にものぼります。

このような状況下で、企業と個人のさらに対等な、新たな関係づくりが求められています。
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社は、その新たな関係づくりを支える仕組みとして、キャリア自律支援サービス「プロテア」を提供していきます。

▼プロテア
https://www.persol-pt.co.jp/protea/

##正社員とは別のアプローチで企業にかかわり続ける?アルムナイによる新たな複業の形

今回は、「アルムナイ」という形で企業と個人の新たな関係づくりを進めている、 株式会社ハッカズーク 代表取締役CEO/アルムナイ研究所研究員である鈴木 仁志氏に、 新たな複業の形をお話しいただきました。

そもそも「アルムナイ」とは何でしょうか。
元来は「卒業生」という意味でしたが、ビジネスの世界ではその意味が転じて「退職者」を指すようになりました。
欧米ではすでに文化として根付き、日本でも普及してきている考えです。

退職・転職が以前よりも身近になった今、 約9割もの就活生が、元社員の退職後のキャリアに関心を持っています。

しかし、退職後に企業と退職者のつながりが消えてしまっては、優秀な人材を手放してしまうだけでなく、就活生の問いに回答することもできません。
そんな市場状況の中で、ハッカズークさまでは2つのサービスを通してアルムナイを日本に広める事業を展開しています。
1つは、企業側事務局・アルムナイ・社員など関係者と密にコミュニケーションを取りながらそれぞれのアルムナイコミュニティにあった関係構築をサポートするサービス「official-alumni.com」、もう1つはアルムナイに特化したメディア「アルムナビ」です。

▼ official-alumni.com
https://official-alumni.com/

▼ アルムナビ
https://alumnavi.com/

アルムナイは企業と個人をつなげるだけでなく、自社社員の複業を定着させるステップを作る可能性を秘めていると、鈴木氏は言います。

アルムナイの出戻り複業をきっかけとし、アルムナイの在籍企業で自社社員の複業を始める。企業としても社員としても、信頼できるアルムナイが在籍している企業への複業はハードルが低くなり、挑戦しやすくなります。

そして複業に対してのハードルが下がったころに、複業に接点のない外部人材の複業、さらには全く関係ない企業での自社社員の複業、と段階的に複業の普及を実現していくことができるということです。

このステップを実現するための鍵として、退職時の印象があげられます。
印象が悪いと戻る気にはなりにくいものです。「いつか恩返ししたい!」という気持ちを持ち続けてもらうために、退職時の体験を良くすることが重要になってくるとのことでした。

##最高の会社の辞め方が企業と個人を繋ぎ続ける時代

会社を辞めても、アルムナイとして関わる方法が登場した今、 組織、個人、そして2つの関係性はどのように変化するのか。
退職学の研究者/ひと・会社・まちの立ち上げ編集者である佐野 創太 氏と パーソルワークスイッチコンサルティングの宮崎の二人でクロストークを行いました。

数々の退職を経験してきた佐野氏。
ご自身の経験、そして現在「退職」について研究するなかで、見えてきたものをお話いただきました。

組織に訪れている変化は、「1か0ではなく、関係人口を増やす活動が求められる。」ということでした。
人は会社を辞めるもの。そこで、いかに関係のグラデーションを作れるかが肝となります。
そのためには、退職後にもファンになってもらえるような退職デザインに取り組むことが重要になってきます。

個人に訪れている変化は、「声をかけられ続ける存在でいることが終身雇用の一歩だ。」ということです。
たとえ円満退社だとしても、声がかからなければもう関わることは一生ありません。一方で「最高の辞め方」をすると、声がかかり続けるため、正社員以外の形での終身雇用先が1つ増えることになります。そのためには在職中に、退職しても外部から協力できる”関わりしろ”を作っておくことが重要です。

最後に、組織と個人の2つの関係性に訪れている変化は、「終身雇用は”セルフ”終身雇用に替わる」ということです。
企業が終身雇用するという、今までの考え方をさらにアップデートし、 個人は複数の雇用先を作ることで、 企業は雇用先の1つになることで、 お互いにリスクヘッジをした、新しい形の終身雇用を築くことができます。

そんな新たな関係性を作っていくことが、今私たちに求められていることなのです。

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