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RPAとAIの違い、最近話題のRPAIとは?

オートメーション・エニウェア・ジャパン主催のイベント「IMAGINE TOKYO 2019」でソフトバンクの孫会長が使った「RPAI」という言葉が話題となっています。
孫会長は、単純作業の自動化だけでなく学習して生産性をあげることをRPA+AI、RPAIと呼び、RPAとAIの組み合わせによって人間にとって素晴らしい未来が来る、と語りました。

【参考】ソフトバンク孫会長が語るRPA+AIの未来(IMAGINE TOKYO)

最新のテクノロジーの組み合わせでもたらされる未来とは?RPAとAIの違い、AI導入の前段階としてのRPA、RPAIの現状という観点から詳しく見ていきます。

RPAとAIの違い

RPA

人間が決めた手順通りに作業を実行できるテクノロジーです。ひとつひとつのワークフローがルール化できる業務であれば基本的に自動化することができますが、ルール以外のケースに遭遇すると処理を続けることができなくなります。RPAは決められたことだけを行うので判断はできません。しかし、ルールをあらかじめ設定しておけば、RPAで判断を行うことも可能です。

AI

AIは「artificial intelligence」の略で、「計算」という概念と「コンピュータ」という道具を用いて「知能」を研究する計算機科学の一分野を指します。人工知能とも呼ばれ、自ら判断して実行することのできるテクノロジーです。膨大なデータからルールを導き出し、そのルールにもとづいて予測や分類を行います。AIはマシーンラーニングやディープラーニングなどに分類されます。

マシーンラーニング

機械学習とも呼ばれます。コンピュータに大量のデータを与え、試行錯誤させてその中にあるパターンを見つけ出し、未知の状況であっても実例に沿った統計的な判断を可能にします。

ディープラーニング

「ニュートラルネットワーク」という人間の神経を模した多層的なネットワークで規則性や関係性を見つけ出し、コンピュータが自らの力によって学習する能力をもつテクノロジーです。

AI導入の前段階としてのRPA

AIの導入を検討する企業は増えていますが、従業員がAIに仕事を奪われるのではないか?と漠然とした不安を抱き、それによって導入に消極的な企業もあるようです。しかし、RPAを導入して成果を上げることにより、AIを導入することへの抵抗を少なくできると考えられます。RPAによる業務効率化の成果がすでに出ていれば、そこにAIを導入することはそれほど難しいことではありません。
また、RPAはAIが行う予測や分類のために必要な膨大なデータを収集することができるだけでなく、自動化の過程で社内のデータ形式を、コンピュータが理解しやすい形に統一します。ばらばらの形式ではAIがデータを分析することができませんが、RPAによる自動化を行った結果、AIがデータを分析しやすい形に整えることになるのです。
これらのことからRPAの導入は将来的にAIを導入するための下地になると考えられます。RPAを導入することは現状を把握して課題を認識し、課題を解決し、AI化を提案することにつながるのです。

RPAIの現状

RPAIとは、RPAとAIを組み合わせることにより、単純作業の自動化だけでなくさらに踏み込んで学習して生産性を上げることを指します。
RPAとAIの組み合わせはすでにいくつかの業務で成果を上げています。今まで人手や分析ツールを使って、膨大な時間をかけて行っていたデータ収集や分析を瞬時に行ったり、特許申請時の調査や金融の審査といった高度な仕事を人間の代わりに行ったり、商品の良・不良のような簡単な判断を人間に代わって行うようなシステムなどが活躍し始めています。 

まとめ

日本はかつてないほど労働人口の減少とそれに付随する人手不足が深刻で、日本経済の競争力を維持・向上させるためにはRPAとAIを組み合わせたRPAIの存在が不可欠です。そして、そのためにはまずRPAによる自動化で業務改善の成果を出すという下地を作ることが重要です。
AIによって人間の仕事が奪われるのではと言われることもありますが、AI同様、人間も進化します。RPAIと人間が協働するような未来はそう遠くないうちに実現することになりそうです。

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