このエントリーをはてなブックマークに追加

RPAしくじりあるある。よくあるRPA導入の落とし穴とは?

「RPAを導入したら残業がなくなって面倒な作業をやらなくて済むようになった」「ミスがなくなって負担が減った」「創造的な仕事に取り組めるようになった」
これらはRPAを導入した企業の事例でよく目にすることです。しかし、実際にはうまくいくことだけでなく思うようにいかないこともあります。
RPA導入を成功させるためには、どんな点に注意すればよいのでしょうか。
せっかく導入したのに失敗してしまったということにならないよう、導入後に考えられる落とし穴を事前に想定し、対策を立てておくようにしましょう。

落とし穴 1.最初から大きな成果を期待する

RPAを導入するには少なくないコストや労力がかかるので、それに見合った効果を期待しがちです。もちろんうまく行けば大きな効果が見込めるのですが、最初から期待をしすぎると、後から「こんなはずではなかった」と思うことになりかねません。例として、最初から長く複雑な業務フローをすべて自動化しようとするケースが挙げられます。
RPAは非常に高性能なツールですが、あらゆる業務を自動化できるわけではありません。
長く複雑なフローでは開発の難易度が高くなり、途中で手順の変更やサイトの変更が起こった場合、設計をやり直さなくてはなりません。当然、開発期間が長くなり、予算も膨らむことになります。
こうなることを防ぐために、最初は短くてシンプルな作業を自動化することから始め、少しずつ成功体験を積み重ねるようにしましょう。そうすることでRPAに対する社内の信頼度もアップし、導入を進めやすくなります。

落とし穴 2.ロボット稼働中の予期せぬトラブル

ベンダー主催のイベントに足を運ぶと、RPAのロボットによるさまざまな成果を知ることができます。確かにロボットはたくさんの利益をもたらしてくれますが、成功体験だけがすべてのように思って運用を始めると、予想しなかったリスクの対策に時間と手間をかけることになってしまいます。リスクを事前に考慮して、あらかじめ対策できるようにしておきましょう。

ロボットがストップし業務が停止

ロボットは決められたことしかできないため、実行中に例外が発生するとストップしてしまいます。想定できるすべての例外をあらかじめロボットに設定しておくことが大切です。

ロボットが間違った処理を実行

正しい手順が設定されていないと間違った作業を実行し続けてしまいます。担当者が業務の手順を正確に把握していなかったり、可視化が不十分な場合に起こることがあります。

「野良ロボット」化

担当者が異動や退職をしてしまうと、稼働中のロボットがどれかわからなくなったり、ロボットの仕様がどうなっているかがわからなくなってしまうことがあります。ロボットが適切に管理されていない状態が続くと、顧客にメールを送り続けてしまう、重要なデータを勝手に書き換えてしまうなど、会社にとって深刻なリスクとなる「野良ロボット」化してしまう可能性があります。
このようなことを防ぐために、RPAを担当する部門でロボットの一覧をドキュメント化しておくようにしましょう。あらかじめ社内できちんとロボットを管理できる体制作りをしておくことが大切です。

【参考】ロボットを管理する上でのドキュメント作成術

これらのトラブルを防ぐためには、事前に対策をしておく必要があります。

  • ロボットがストップし業務が停止→例外をあらかじめロボットに設定する
  • ロボットが間違った処理を実行→最初に業務について正確に把握する
  • 「野良ロボット」化→ロボットを管理できる体制作りをしておく

落とし穴に備えて、事前準備をしっかりと行うようにしましょう。

落とし穴 3.トップと現場の温度差

業務改善や働き方改革に熱心な企業にありがちなのが「トップの判断でRPAツールを導入し、後は現場に任せて業務の自動化を進める」という事例です。
働き方改革の下で企業には「残業を減らさなくてはならない」「人手不足を補うために業務を自動化しなくてはならない」といった課題があります。それらを実現するための手段として確かにRPAは適していると言えます。しかし、現場がどういった業務を行っているかを充分に確認しないまま、RPAツールだけを導入してもそれを現場のスタッフが使いこなせるとは限りません。結果的に「業務内容と合わない」「難易度が高くて使いこなせない」ということになってしまいます。
RPA導入で大切なのは、最初に「現場でどのような業務が行われているかを可視化し、自動化に適した業務を選定する」ことです。導入の手順を間違えないようにしましょう。
また、逆のケースとして意欲の高い現場のスタッフがRPA導入を進めたものの、トップを含む周囲の理解が得られなくて孤軍奮闘になってしまうといったこともあります。

まとめ

RPAの導入を成功させるためには、導入後に考えられる落とし穴を常に意識することが大切です。「よくわからないけれどとりあえず自動化してしまおう」という判断で安易にスタートすると、貴重なコストや時間、労力を無駄にしてしまうことになりかねません。RPAを導入してよかったと社内の人たちに思ってもらい、現場に合った形の業務改善や働き方改革を成功させるためにも、RPAの導入はさまざまなケースを想定しながら慎重に進める必要があります。落とし穴を意識してRPA導入を成功させましょう。

RPA導入成功のポイントを大公開!
導入事例集はこちら

supported by RPA HACK

このエントリーをはてなブックマークに追加

パーソルのRPA

© PERSOL WORKSWITCH CONSULTING CO., LTD.