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「ハイパーオートメーション」とは何か? UiPathの新たな挑戦①

左:マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 Head of Product Marketing 原田英典氏
右:パートナーソリューション本部 本部長 中薗直幸氏

2019年10月30日にプライベートイベント「UiPath Forward Ⅲ Japan」を開催し、新製品や今後のグローバル戦略について発表したUiPath。日本において「ハイパーオートメーション」を推進していくとの考えを示し、注目を集めています。

前後編の連載にて、Uipath社の推進する「ハイパーオートメ―ション」について、新商品についてご紹介していきます。
前編は、UiPath株式会社パートナーソリューション本部本部長の中薗直幸氏と、同社マーケティング本部プロダクトマーケティング部Head of Product Marketingの原田英典氏に、UiPathの掲げるビジョンと「ハイパーオートメーション」について伺いました。

ツールベンダーのビジョンは、「どのRPAツールを選んだら良いか」を考える上での指針にもなります。

>>【参考】自社に合ったRPAツールを選ぶために必要なこととは? 注意すべきポイント①

>>【参考】自社に合ったRPAツールを選ぶために必要なこととは? 注意すべきポイント②


UiPathをRPAツールの候補として考えている担当者の方は、参考になさってください。

UiPathのビジョン「A Robot for Every Person」

パートナーソリューション本部 本部長 中薗直幸氏

――まずはお二人のご経歴についてお聞かせください。

中薗氏:日本マイクロソフトに15年ほど勤務した後、2017年にUiPathに入社いたしました。UiPathではパートナービジネスの立ち上げに携わり、パートナーソリューション本部本部長を務めております。

原田氏:私も2019年に日本マイクロソフトからUiPathに転職いたしました。それ以前はマイクロソフトのマーケティング部門でWindowsやIEなどのProduct Managerを担当し、Windows 7、 Windows Server 2012、 Internet Explorer 8、 System Center 2012 などのリリースに携わっていました。UiPathではマーケティング本部プロダクトマーケティング部でプロダクトマーケティングの責任者を務めております。


――UiPathがビジョンとして「A Robot for Every Person」を掲げました。これは具体的にはどのようなことですか。

原田氏:「A Robot for Every Person」、つまり「一人に1台のロボットを」ということです。ビル・ゲイツがマイクロソフトを作った時、コンピュータをすべてのオフィスのデスクにという方針を打ち出しました。当時はコンピュータがそこまで普及することはあり得ないと考えられていましたが、実際には実現出来ています。それと同じように、ロボットを多くの人が当たり前のように使える時代がやってくると思います。

5年後にはロボットがそれぞれの人のPCの中で動き、ロボットと人が助け合いながら仕事をするようになるのではないでしょうか。その結果、限られた時間であっても高い生産性を維持出来るような社会が実現すると考えています。

現代は生産性の向上における転換期

マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 Head of Product Marketing 原田英典氏

――多くの人が日常的にロボットを使えるようになり、今より生産性を向上させるためには何が必要だと思われますか。
原田氏:生産性に対するITの貢献度は低下してきていると言えます。2000年頃までのテクノロジーは既存の作業をデジタル化するERPやスプレッドシートが中心で、従来の作業をテクノロジーが代替することにより高速化・簡素化を実現するというシンプルな仕組みでした。

一方で近年テクノロジーは複雑化しています。最先端テクノロジーは飽和状態にあり、相互に分断されているため、全体として見た時に生産性向上が実現出来ているとは言えません。


働き方改革を成し遂げるためにはITが必要不可欠であり、今後ITによる生産性を向上させていかなければなりません。今はそのための転換期だと考えています。人がロボットと協働する社会を実現するためには、現代の企業がIT投資の柱と考えているクラウド、AI、ローコード、RPAなどを統合した新しいプラットフォームが必要だと感じています。

エンドツーエンドの自動化を実現する「ハイパーオートメーション」

パートナーソリューション本部 本部長 中薗直幸氏

――そこで登場するのが「ハイパーオートメーション」ですね。

中薗氏:「ハイパーオートメーション」は、複数の機械学習(ML)、パッケージ・ソフトウェア、RPAなどの自動化ツールを組み合わせて一連の自動化を実現する概念と実装のことです。組み合わせに加えて、人が関与する自動化のあらゆる手順(発見、分析、設計、自動化、測定、モニタリング、再評価)を考える必要があります。

すなわち「ハイパーオートメーション」では、自動化メカニズムの範囲やそうしたメカニズムがどのように相互に関連し、それらをどのように組み合わせて調整できるかを理解することが重要です。


「ハイパーオートメーション」は2019年11月13日に、ガートナーが2020年の戦略的テクノロジートレンドの第1位として発表しています。UiPathは、ガートナーが提唱するこの「ハイパーオートメーション」を軸とした新しいアイデアにより今後中堅・中小企業も含めた自動化をさらに促進していきます。

>>【参考】ガートナー、2020年の戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10を発表



原田氏:「ハイパーオートメーション」はRPAから始まっていますが、RPAだけでは「ハイパーオートメーション」とは言えません。ツールの組み合わせにより、人が業務に関与している部分を模倣出来るように支援することが必要となります。

そして「ハイパーオートメーション」を実現するためのプラットフォームが、今後順次発表していく新製品により可能となるエンドツーエンドの自動化ソリューションです。

まとめ

「A Robot for Every Person」という理想をビジョンとして掲げるUiPathは、それを実現するために「ハイパーオートメーション」というコンセプトを提示しました。そして、「ハイパーオートメーション」を実現するためのプラットフォームを構成することとなる新製品を、今後順次発表していくそうです。

RPAによる業務効率化から、RPAを含めた複数のソリューションによる統合的なエンドツーエンドの自動化の実現を目指すUiPath。今後の動向から目が離せません。
後編では、これから発表される新製品についてご紹介します。

>>【後編】エンドツーエンドの自動化ソリューションに向けた新製品。UiPathの新たな挑戦②

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