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RPAロボットが止まったらどうする? エラーが発生した場合の対処方法

「RPAロボットは頻繁に止まる」「RPAは導入後の保守が大変」、そんなイメージはありませんか。確かにRPAのロボットは環境の変化などが原因で止まることがあります。しかし、適切な対策を講じれば、エラーによるデメリットを最小限におさえることが出来ます。

今回は、あらかじめ想定出来るエラーとロボット開発時のエラー対策、運用時にエラーが発生した場合の対処法についてご紹介します。

ロボットのエラー対策が障壁となり、RPA導入をためらっている推進担当者の方は参考になさってください。

あらかじめ想定出来るエラー

RPAロボットを開発する時の環境と、実行する時の環境は常に同じとは限りません。Webサイトから情報を取得するRPAロボットでは、Webサイトの構造が変更された場合、設定が異なるために指定された処理を実行出来ず、エラーを起こして停止してしまいます。

同様の環境変化には、他に以下のものがあります。

・PCのアップデート
・アプリケーションの仕様変更
・インターネット環境の変化

また、業務に関する環境変化には以下のものがあります。

・業務フローの変更
・ファイルが存在しない、データが存在しない、対象となるWebサイトの画面が表示されないなどの処理の前提となる設定の変化

考えられるエラーを出来る限り想定しておくことが、エラーに対処することにつながります。

RPAロボット開発時のエラー対策

エラーハンドリングを組み込む

RPAロボットを開発する際には、エラーが起こることを想定し、対処出来るようなフローを処理の中に組み込んでおくようにしましょう。

例えばWebサイトが変更され、事前に設定した画面が表示されない場合には「対象となる画面が表示されません。」というエラーメッセージを表示させたり、担当者にメールでアラートを送ることが出来ます。
自動化する対象となるExcelファイルが所定の場所に存在しないため、ファイルが開けない場合には「ファイルが見つかりません。ファイルの場所を確認してください。」というエラーメッセージを表示させ、ロボットが停止した原因がファイルの場所にあると示すことが可能です。

エラー処理のテストの実施

本番稼働の前に、エラーハンドリングを組み込んだRPAロボットをテストします。テストには現場の担当者にも参加してもらい、どのようなエラーが起こる可能性があるかを共有するようにしましょう。

テストを行う前に、テスト項目や留意事項をまとめたチェックシートを作成します。原則としてテスト環境でテストを行いますが、「端末のスペック」「RPAツールのバージョン」「画面解像度」「権限」などについて、テスト環境と本番環境との違いを十分に意識することが大切です。
やむを得ず本番環境でテストを行う場合には、テスト後にシステム内のデータを削除するなど、システムへの影響を十分に考慮する必要があります。
RPAロボットは現場で開発を行う場合があり、環境の変化に弱いことから、通常のシステム開発と同様に正常系だけでなく異常系でのテストも行うようにしましょう。

RPAロボット運用時にエラーが発生した場合の対処法

あらかじめ対策を講じていても、避けられない環境の変化によりエラーが発生することがあります。その場合には、状況に応じた対処法を取るようにしましょう。
エラーが起こることに備え、社内の体制を整えておくことも大切です。

情報システム部門との連携

エラーが発生したことに気がついたら、業務の停滞を避けるためにもすぐに担当者に連絡をしましょう。情報システム部門にも連絡し、どのようなエラーが起こっているかを分かる範囲で報告します。エラー画面に表示されたメッセージは処理のどの部分に問題があるかを把握する手がかりとなるため、閉じてしまわずにそのままにしておきましょう。

外部の専門家に協力してもらう

エラーの原因を社内で特定することが出来なかったら、RPAベンダーやRPA導入支援を行っている外部の専門家に連絡し、協力を仰ぎます。
外部の専門家は様々なエラーに対処した経験があるため、短時間でエラーを解消出来る可能性があります。この時、起きたエラーとその対処法についてまとめておくと、社内での保守体制を整える際に役立ちます。
将来的にはできるだけ社内でエラーに対処出来る体制を構築することが望ましいですが、初めのうちは専門家に頼ってエラーを解消することで、社内における円滑なRPAロボット運用の実現を目指しましょう。

まとめ

RPAロボットは環境の変化に弱いため、エラーを完全に避けることは難しいと言えます。しかし、エラーが発生しても、事前に考えられる対策を講じたり、状況に応じた適切な対処を行うことにより、影響を最小限におさえることが出来ます。 RPAロボットは開発したら終わりではなく、その後の保守が重要です。保守をどのように行うかによって、RPA導入の成否が決まるといっても良いでしょう。 エラー対策を講じながら、安定稼働するロボット運用を目指すようにしましょう。

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