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検討フェーズから抜け出せない? 「ファーストロボット」のススメ

RPAの導入ではまず、現場で行われている業務の洗い出しやRPAツール・関連サービスについての情報収集から始めます。次にPoC(Proof of Concept)を実施し、自動化する対象の業務や利用するRPAツール・関連サービスを選定します。

これらが終了したらいよいよ導入・運用段階に入っていくのですが、実際にはその前段階の検討・検証期で足踏み状態になったままの企業も多いようです。
RPA導入の検討・検証段階にあるけれど、なかなか導入・運用に進めない場合の解決策として「まずロボットを開発してみる」ことをおすすめします。 また、その理由についても具体的な例を挙げてご説明します。

【参考】RPA導入検討、まず何から始める? PoCとは?

検討フェーズから抜け出せない理由

RPAの導入では、事前に多くのことを検討する必要があります。
業務の洗い出しをどのような方法で行うか、自動化する対象業務の選定、PoCを行う部署、PoCの結果試算されたROIなどを検討し、導入・運用後に企業全体として期待する効果が得られるかを検証します。

これらを検討する過程において、自動化する業務の候補が多すぎて絞り込むことが出来ない、部署間の連携が図れない、PoCで思うような効果が得られなかった等により、なかなか次の段階に進めないという声をよく聞きます。

「ファーストロボット」とは

PoCを実施した時のロボットを参考にしながら、RPAを利用する現場のスタッフにロボットを開発してもらいましょう。
RPAで自動化する業務は現場のスタッフが普段行っている業務の中から簡単なものを選びます。このロボットが「ファーストロボット」です。
必要があれば外部ベンダーなどが開催しているセミナーに参加してみるのも良いでしょう。

なぜ「ファーストロボット」が必要か

理解を得やすくなる

計画当初からRPA導入に関わっている現場のスタッフは、業務のヒアリングやPoCを通してRPAについての知識を得ているかもしれませんが、他部署のスタッフにはそもそもRPAでどんなことが出来るのか分かっていない場合もあります。

現場のスタッフが開発した「ファーストロボット」で実際に業務が自動化でき、多くの時間が削減出来た、といった具体的な成果が出せれば、他部署のスタッフからもRPAで業務を自動化してみたい人が出てくるでしょう。
例えば、営業部で交通費を精算するロボットを開発し、交通費精算業務を自動化して、自動化以前に人手で行っていた月末の交通費精算のための一連の業務をすべてロボットが行えるようになったとします。
このことは「他部署の交通費精算業務も同じように自動化出来る」「それによって合計でこれくらいの時間が削減出来る」などの具体的なメリットを想像しやすくし、他部署のスタッフのロボット開発の動機付けになり、導入・運用を推し進める材料となります。

また、ロボットを開発出来る人が社内にいるということは、上層部に対するRPA推進のアピールにもなります。 このようにしてRPAに対する理解が全社レベルで進めば、導入・運用に向けてプロジェクトが一気に加速する可能性が出てきます。

全社的なビジョンの想起

「ファーストロボット」で具体的な成果が出せると、社内でRPAに対する機運が高まります。RPAでどんな働き方が実現出来るか、どんな働き方をしたいかといった意見が交わされるようになり、RPA導入による業務改善を通して会社が目指すビジョンが明確になってきます。

このビジョンとPoCで得られた結果をもとにして経営層に支援を依頼することで、その後の導入・運用をトップダウンで進められる可能性が高まります。

まとめ

せっかくRPAの導入を決めたのですから、現場のスタッフに協力してもらい、まずは実際に手を動かして目に見える成果を実感してもらいましょう。

ロボットを開発して「こんなことが出来るんだ」という成功体験を会社全体で共有し、協力し合いながらプロジェクトを進められたら、時間削減だけではない業務改善の効果を実感出来るかもしれません。

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