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【RPA推進 連載企画】第6回:効果測定って何をすればいいの?


RPAに関するさまざまなお役立ち情報をお届けするコラムの第6回目です。
RPA推進に携わっている方、社内でRPAを浸透させていきたい方は必見です。

前回の第5回目では業務分析とは何か、どのような効果があるのかについてご紹介しました。

>>第5回:業務分析ってどんな効果があるの?

第6回目となる今回は、効果測定とは何か、どのように何を測定するのかについてRPA講師に教わっているようです。

<目次>

登場人物

効果測定を見据えた計画が大切

測定するのは定量的・定性的効果の2種類

ROI次第でRPAを継続利用するかが決まる

まとめ

登場人物


課長 

地方企業に勤める30代後半の男性。9月からRPA推進チームのリーダー。
これまでに複数のプロジェクトでPMの経験があるものの、RPAは初めてで名前を聞いたことがある程度の知識で不安に感じている。

講師 

パーソルプロセス&テクノロジーの研修講師。30代女性。分かりやすい解説が人気で講師歴は5年以上。
これまでに30社以上のRPA導入企業の研修に携わってきた。RPAに関する知識が豊富で、講義後個別にRPA導入や運用について相談されることも多い。


前回の打ち合わせでRPAにおける業務分析について理解を深めた課長。
今回はいよいよRPAの効果測定について教えてもらいます。
ちょうど上司への報告の準備を始めようとしていたところだったので、今日も多くのことを学べそうです。

効果測定を見据えた計画が大切



 講師:それでは、今回はRPAを定着させるために必要なポイントの最後の1つである「効果測定」についてお話していきたいと思います。

 課長:いよいよ最後のポイントだね。ここまでたくさん教えてくれて、本当にありがとう。
教えてもらったことを実践していったことで自分はもちろん、チーム全体でRPA推進を順調に進められているよ。

 講師:お力になれているようで嬉しいです。今回はここまでお話した内容をもとに、開発したロボットや運用しているロボットが本当に目的・目標に近づくために効果を発揮しているのか、ということを確認する方法について説明していきたいと思います。

 課長:そろそろ上司から「RPA推進の結果がどうなっているのか報告してほしい」と連絡が来るだろうから、準備を始めようと思っていたところだよ。

 講師:ちょうど良かったです。ではまず初めに、RPA推進における効果測定とはどのようなものなのかをご説明します。


RPA推進における効果測定とは、当初に設定した目的・目標を達成するためにRPAがどれだけ効果を発揮しているのかを可視化することです。
効果測定はRPAを実際に開発・運用する前段階から測定計画を立てておくということが重要です。なぜなら、実際にRPAの効果を測定したいタイミングで、どのようなデータを集めてどのように分析するのかを決めるのでは、本当に欲しいデータを集めることができなかったり、データを集めることに多大な時間がとられてしまうためです。
効果測定は以下の図のように計画を立てると良いでしょう。




 課長:なるほど、効果測定はロボットを実際に運用し始める前から計画を立てておくことが重要なのか。

 講師:その通りです。欲しいデータが集められず効果を測定できないと、RPAの導入効果が分からず社内に広めていくための壁を自ら作ってしまうことになりかねません。実際に、効果測定の計画を立てずにRPA導入を始めてしまう方も多く、その場合は十分にRPAの効果を実証評価することができません。そのため、その後のRPA推進計画が立てられないという声もよく耳にします。

 課長:そうだね。RPAの効果については最近体感してきているところなんだ。今後よりいっそうのRPA推進に向けてしっかり効果測定の計画も立てていこうと思うよ。

 講師:是非、そうしていきましょう。では、効果測定の内容についてもう少し詳しく説明していきますね。

測定するのは定量的・定性的効果の2種類



効果測定では「定量的効果」と「定性的効果」の大きく分けて2種類の効果を測定します。



定量的効果とは、数値として計算することができる効果のことです。例えば、RPAの導入により削減できた残業時間や低減できたミス率などが当てはまります。RPAはこれまで人が作業していた業務の一部を代行し、24時間365日休むことなく働けるため、人の作業量を減らすことができます。
また、人間だと同じ作業を何度も続けているとどうしてもミスをしてしまいますが、RPAはミスをしません。RPAは単純な作業の自動化が得意なため、同じ作業内容であれば件数が100件でも1000件でもミスすることなく行うことができます。

もう1つの効果である定性的効果とは、数値では表すことができない効果のことです。例えば、業務の自動化による精神的負担の軽減です。ちょっとした作業のミスにより致命的な影響を与えてしまうような業務では、転記作業や突合作業など人的ミスが発生しやすい箇所を自動化することにより担当者の精神的負担を軽減することができます。 また、RPAが代わりに業務をしてくれることで手の空いた時間を使って別のPJTに携われるようになることや、新しいアイデアの創出によるやる気の向上など目に見えない形でのポジティブな効果が期待できます。 これらの効果は、目に見えないからこそRPAの運用を開始してから効果測定をしようとしても欲しいデータが集められず測定ができないということになりかねないので、あらかじめ目的・目標を達成するための指標を定めておくことが必要です。

RPAの効果測定は定量的効果である削減時間に注目されることが多いですが、これだけにとどまらず幅広い視点で定性的効果まで見ることが大切です。


 課長:なるほど。効果は数字では表せない定性的な効果も考えていく必要があるんだね。

 講師:はい、その通りです。課長は今から効果測定をするタイミングかと思うので、なかなか定性的な効果を測定するのは難しいかもしれませんが、次回からはRPAの効果をしっかりと社内に広めていけるように、定性的な効果を測定するための項目をあらかじめ検討していただくと良いと思います。

 講師:最後に、定量的効果を報告する際に意識するべき「ROI」について説明させていただきます。

ROI次第でRPAを継続利用するかが決まる


ROIは投資対効果のことを指し、ビジネスの投資判断によく利用されます。RPAもシステム投資なので、ROIをもとに経営層がRPAの利用を継続するか否かを判断することがあります。
ROIは投資に対してどれくらいの利益を生み出せたのかという考え方で、利益金額/投資金額×100という計算式で求められます。
それでは、この式の中での「利益」「投資」がどういったものなのかを詳しく解説いたします。


まず、「利益」についてです。
利益は「売上-原価」という計算式で求めることができます。RPA推進での利益は、RPAを導入した業務が関連しているサービスの「売上」と「原価」がRPA導入前・後でどのように変化したのかを調べることで算出できます。

次に、RPA推進における「投資」についてです。RPA推進での投資にはどのようなものがあげられるかというと、RPA導入時の「初期費用」やRPAツールの「利用料金」、RPA運用時の「人件費」、RPA人材の「教育費用」などです。

これらを使って算出された「利益金額」と「投資金額」からROIを求めることで、RPAに投資をすることでどれくらいの利益を生み出せたのかを確認することができます。


 課長:ROIはなかなか厳しい数字が出そうだなあ。

 講師:単年での売上や原価の変化だけをみていくとどうしてもRPAを導入する初期コストが高く、効果が出ていないように見えてしまうかもしれません。そのため、長期で利用した場合の数字を出してみることをお勧めします。

 講師:それと、定性的な効果については企業としての価値向上にもつながるので、報告される際にはこちらも併せて報告いただくことも大切ですよ。

 課長:最近同僚から「ミスが減ったよ」という声をもらったりする機会が多くて、RPAの効果は実感できているから、上司にも同じように実感してもらえるよう報告書を作ってみるよ。

 講師:はい、是非そうしてみてください。私もどのような効果が出ているのか気になります。

 課長:これでRPAの定着までのポイントは全て教えてもらったことになるのかな?

 講師:はい、ポイント6つをすべて説明させていただきました。ですが、ここで終わりではありません。次回は今までお話した内容を簡単に振り返り、RPAの活用に向けたお話をしていきたいと思います。

 課長:いよいよ活用まで来たね。次も楽しみにしているよ。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
効果測定はRPAを今後継続して利用していけるかどうかを判断する貴重な材料の1つです。もし、RPA導入効果が出ているのにその効果を伝えることができず、次年度はRPAを利用しないという判断を下されたら…。
「せっかく残業時間が減ったのに」
「せっかく精神的負担が減ったのに」
などとせっかく向上していた社員のモチベーションが下がってしまうかもしれません。こうならないためにも、しっかりと効果測定のことまで見据えた計画を立てることが大切ですね。
次回はRPAの活用フェーズについてお伝えしていきます。
次回もお楽しみに。

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