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【RPA推進 連載企画】第2回:ロボットの開発ルールと運用ルールってどう決めればいいの?


RPAに関するさまざまなお役立ち情報をお届けするコラムの第3弾です。
RPA推進に携わっている方、社内でRPAを浸透させていきたい方は必見です。

第1回前編・後編では、RPAの推進をする上で初めに押さえておきたい「自動化する業務の選定」
「目的と目標の設定」、さらに「目的と目標の設定方法」「RPA推進の流れ」についてご紹介しました。

>>第1回 RPAの推進って何すればいいの?(前編)
>>第1回 RPAの推進って何すればいいの?(後編)

第2回目となる今回は、ロボットの開発ルールと運用ルールの決め方について、RPA推進課長がRPA講師に相談を持ちかけているようです。

<目次>

登場人物

RPA推進の定着フェーズで必要な「ロボットの開発、運用ルール」

ロボットの開発には3つのステップがある

ロボットの運用ルールは、ロボットと人それぞれに必要

ルールの作成だけでなく、決めたルールを周知・浸透させることが大切

まとめ

登場人物


課長 

地方企業に勤める30代後半の男性。9月からRPA推進チームのリーダー。
これまでに複数のプロジェクトでPMの経験があるものの、RPAは初めてで名前を聞いたことがある程度の知識で不安に感じている。

講師 

パーソルプロセス&テクノロジーの研修講師。30代女性。分かりやすい解説が人気で講師歴は5年以上。
これまでに30社以上のRPA導入企業の研修に携わってきた。RPAに関する知識が豊富で、講義後個別にRPA導入や運用について相談されることも多い。


RPA推進担当になり、外部の専門家のサポートを検討している課長。
前回の打ち合わせで、RPA推進の目的や目標の設定方法、RPA推進の流れについて知り、さらにやる気になっているようです。
今回はいよいよロボット開発についての話が聞けそうで、いつも以上に気合いが入っています。

RPA推進の定着フェーズで必要な「ロボットの開発、運用ルール」



 課長:前回までに、目的と目標を決めることの大切さやRPA推進の全体像を教えてもらって、何をすればいいのかがだんだん分かってきたよ。今、RPAを導入する目的やうちの支社の課題を明らかにしているところなんだ。まずは目的と目標を決めないとね。

 講師:学んだことを早速行動に移されていて、素晴らしいです!私もサポートしますので、分からないことがあればいつでもお気軽にお知らせくださいね。


 講師:ところで、前回お伝えしたRPA推進の全体像に、「定着」というフェーズがあったことを覚えていらっしゃいますか?

 課長:ああ、覚えているよ。RPA推進には「運用」「定着」「活用」というフェーズがあって、まずは「定着」を目指すところから始める、という話だったと思うのだが。

 講師:その通りです。「定着」フェーズでは、以下の6項目が実現できている状態を目指します。


前回までのお話で、「1.RPA導入の目的と目標が明確である」については理解していただけたかと思います。

>>第1回 RPAの推進って何すればいいの?(前編)
>>第1回 RPAの推進って何すればいいの?(後編)

今回は、「2.ロボットの開発、運用ルールが決まっている」について説明していきたいと思います。

 課長:ロボットの開発や運用はすでに社内で行っているんだが、新しくルールを決める必要があるのかな?

 講師:必ずしも改めてルールを決めなければいけないというわけではありません。しかし、全くルールが定まっていない状態では、「定着」フェーズにうまく進めることができなくなるため、この機会にロボットの開発ルールや運用ルールの確認をしていただけるとよろしいかと思います。

 課長:確かに今どのようなルールで開発や運用をしているかは、確認しておく必要がありそうだな。確認をする前に、どのようなルールが良いとされているのか、教えてもらっても良いかな?

 講師:承知いたしました。これから説明させていただきますね。

ロボットの開発には3つのステップがある


ロボット開発には、以下の3つのステップがあります。

① 要件定義:開発の前に、ロボットに求める要望を整理する
② 仕様策定:開発したロボットが、どのような仕様になっているかをまとめる
③ ロボットの開発・判定:ロボットの開発と、開発したロボットの検証や判定を行う


①~③のそれぞれについて説明していきます。

①要件定義

開発担当者が現場担当者にヒアリングし、ロボットに求める要件を確認することです。
現場担当者の要望がロボットで実現可能かを見極め、要件定義書を作成して開発担当者と現場担当者の認識を合わせます。
推進担当者は、ヒアリング・認識合わせの日程調整や進捗管理、要件定義書の内容確認を行います。

ロボットを使うのは現場担当者です。現場担当者が想定していたロボットによる業務自動化方法と、開発担当者が想定していたロボットの業務自動化方法が異なっていた場合、せっかく開発したロボットがほとんど利用されなくなってしまうことが想像できます。

そのため「要件定義」では、開発担当者が現場担当者の求めていることを正確に把握し、どこまでがロボットで実現できてどこからが実現できないのかを、しっかりすり合わせることが重要です。

②仕様策定

①の要件定義で決めた内容を満たすように、開発するロボットの起動から終了までの処理や動作を仕様書で表します。推進担当者は、仕様書の内容確認やロボットの仕様が変更になった場合の更新確認などを行い、ロボットの仕様がブラックボックス化しないようにします。

③ロボットの開発・判定

②で確定した仕様をもとにロボットを開発し、問題がないかテストを実施します。
以下は開発からテストまでの流れの一例です。



推進担当者はテスト日程の調整や、テストケースやテストデータなどの準備を行い、テストがスムーズに実施できるようにします。テストの実施後には判定会を開き、開発したロボットに問題がないかの最終確認を行って、現場への納品可否を判断します。

運用ルールは、ロボットと人それぞれに必要


次はロボット運用のルールについてです。

人が働く際には、就業ルールという働くためのルールがあります。それと同様にロボットにも就業ルールが必要です。ルールが決まっていないと、「ロボットが止まった時の相談相手が分からない」「業務変更があったが、ロボットの修正方法が分からない」などの問題が発生した時に対処ができず、ロボットが運用されなくなってしまいます。

また、管理するためのルールが決まっていないと、ロボットが現場ごとに増えてしまい、それぞれのロボットが何の業務を自動化しているのか分からない、稼働中のロボットが何台あるのか分からない、といった状況に陥ってしまう可能性があります。

これらのことを防ぐために、ロボットにも働くためのルール、管理するためのルールが必要です。ロボット運用のルールは、推進担当者が中心となってあらかじめ以下の2つを策定しておきます。

1. ロボットを動かす、管理するための“ロボット”用のルール
2. ロボットを扱う上での“人”用のルール


「2.ロボットを扱う上での”人”用のルール」については、次回の運用体制の話をするときにご説明いたします。
今回は「1.ロボットを動かす、管理するための”ロボット”用のルール」について見ていきましょう。

ロボットは自分で考えて行動することができません。そのため、細かくルールを決めておく必要があります。
また、RPAツールは開発の自由度が高く、プログラミングの知識がなくても開発ができるというメリットがあります。しかし開発時のフレームワーク(骨組み、枠組み)が決まっていないため、開発時のルールが決まっていないと、開発した人にしかロボットの内容が分からないという状態になってしまう可能性があります。

加えて、社内で決めたルールに反するロボットを開発しないためにも、RPA特有のリスクを理解しておく必要があります。

以下の図ではRPA特有のリスクを基に、RPAだからこそ考慮すべきポイントをカテゴリ別に記載いたしました。



上記のポイントをふまえたうえで、ロボットを運用、管理するためのルール作成を検討します。

ルールの作成だけでなく、決めたルールを周知・浸透させることが大切

 課長:ロボットの開発ルールや運用ルールというのは、こんなに決めることがあるのか。急いで自社の状況を把握しなければならないな。その上でルール作成に取りかかることにしよう。

 講師:ルール作成の大切さをご利用いただけたようで嬉しいです。それではルールに関して、最後に1つだけよろしいでしょうか。

 課長:もちろん。ぜひ聞かせてほしい。

 講師:ありがとうございます。

今回お話しした「ロボット開発・運用ルール」ですが、作って終わりではありません。関係者がそのルールに沿って行動することで、初めて効果が発揮されます。そのため、関係者にルールを守ってもらえるように働きかけることが大切です。

こちらにルールを周知するための方法や、浸透させる方法を示しましたので、ご覧になってください。



 課長:前回教えてもらった目的や目標と同じように、現場への周知や浸透というのは大事になってくるのだね。ただルールを作ればいいというものではないと。いつも丁寧にアドバイスしてくれてありがとう。

 講師:こちらを実践することで社内のRPA推進がスムーズになると思いますので、ぜひ参考になさってください。次回もどうぞよろしくお願いします。

 課長:こちらこそよろしく。次回も楽しみにしているよ。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
RPA推進を成功させるには、あらかじめロボットの開発ルールや運用ルールを決めておくことが大切です。まだルールを決めていなかった…という方は、ぜひこの機会に取り組んでみてくださいね。
次回は、作成した開発・運用ルールを実際に「定着」させるための運用体制について解説していきますので、お楽しみに。

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