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RPA導入を成功に導く推進担当者とは?

左:キサイフーズ工業株式会社 正能 悦三氏
右:キサイフーズ工業株式会社 日吉 圭介氏

RPAを導入するにはまず、社内へ推進する担当者を決める必要があります。推進担当者は情報システム部門や現場部門などに対してRPAを導入する目的を説明したり、外部の専門家とコミュニケーションを取る役割を担います。また、RPAに関する最新の情報を進んで取りに行くような積極的な姿勢が望まれます。

日本全国に食品工場を持ち、1904年の創業以来加工食品の原料を作ってきた池田糖化工業株式会社のグループ会社キサイフーズ工業株式会社の事例では、推進担当者が情報システム部門などとうまくコミュニケーションを取りながらRPA導入を成功させている点がポイントです。これから前編と後編に分けてご紹介していきますが、今回の前編では、RPAを導入したきっかけや自動化している業務、推進担当者に求められる姿勢についてご紹介します。

お話はキサイフーズ工業株式会社 取締役 副社長の正能悦三氏、管理部マネージャーの日吉圭介氏に伺いました。

旧来の業務をRPAに置き換えて会社の競争力を保つ

キサイフーズ工業株式会社 正能 悦三氏

――RPAを導入しようと思われたきっかけについて教えてください。

正能氏:2年程前から新聞や雑誌でRPAという言葉を見かけるようになり、気になって調べたところ、PC上で行う業務をロボットで自動化することだと分かりました。

ちょうど働き方改革が注目され始め、業務の見直しや効率化を行わなければならないと考えていたところでした。当社では紙を使った業務が多く、現在でも受注書や発注書の多くをFAXでやり取りしています。


食品業界や中小企業において今後さらなる人材不足が懸念される中、会社としての競争力を保つためには、こういった作業をRPAに置き換えて従業員により創造的な業務に取り組んでもらわなければなりません。まずは参考になりそうな書籍を2,3冊購入し、日頃から色々な業務をお任せしている管理部マネージャーの日吉さんに渡して「RPAについて勉強して欲しい」とお願いしました。


――RPAについて勉強して欲しいと伝えられた時、どう思いましたか。

日吉氏:RPAという言葉を知っている従業員が、私も含め社内に一人もいないような状況だったので不安はありました。その一方で面白そうだという気持ちもあり、まずは渡された書籍を読んでRPAについて理解することから始めました。インターネットでRPAについて調べたり、RPAの展示会に行ったりもしましたね。この時の展示会で「パーソルのRPA」を知り、協力してもらうことを決めました。

私の所属する管理部は製造管理だけでなく、工場で利用する機械の検討や導入など、現場に必要なあらゆる業務を行っています。しかしシステムの導入は初めての経験だったので、まず何から取りかかれば良いかも分からないような状態でした。とりあえずは情報を収集する必要があると思い、色々な方法で情報を集めながら社内への説明も行っていきました。

RPAによってミスを減らし、本来の業務に集中

キサイフーズ工業株式会社 日吉 圭介氏

――RPAに対する現場部門の反応はいかがでしたか。また、どのような業務をRPAで自動化していますか。

日吉氏:最初はあまりRPAに対するイメージが湧かなかったようですが、実際に導入してみると、余裕を持って仕事に取り組めるようになったという声が聞かれるようになりました。
納品書を発行する業務を自動化しているのですが、これまではユーザー様からメールで送られてくる発注書のExcelデータを一度プリントアウトしてから手入力していました。今はRPAを使い、Excelデータを直接システムに登録しています。


RPAの導入後、データの精度が飛躍的に向上しました。データの精度が上がってミスが少なくなり、業務の引継ぎが簡単になった点が大きなメリットです。これまでは業務を他の従業員に引き継ごうとしても、ミスが怖いという理由でなかなか引き受けてくれる人がいませんでした。しかし、RPAで自動化すれば後はスイッチを押すだけなので、それならやりましょうと言って手を挙げてくれる人が出てきたのです。

納品書を発行する業務は、1日あたり20件から50件程を処理しています。例えば10連休が明けて出社した時、1日に20件の納品書が届いていたとすると、一度に200件を処理しなければなりません。現場の担当者に話を聞いたところ、早く処理しなければならないという気持ちから焦りが生じ、ミスにつながっていた部分があると感じました。また、この担当者には他にやらなければならない業務があったのですが、RPAで納品書の発行業務を自動化したことにより、今では本来の業務に集中することが出来ています。

推進担当者の姿勢がRPA導入成功のカギ

左:キサイフーズ工業株式会社 日吉 圭介氏
右:キサイフーズ工業株式会社 正能 悦三氏

――RPAについての理解を社内に浸透させ、導入を成功させるためにはどのようなことが重要だと思われますか。

正能氏:推進担当者を誰にやってもらうかは重要だと思います。日吉さんは好奇心旺盛で新しいことを面白がることが出来ますし、管理部の業務を通して工場を含めた社内全体の業務を見られる立場です。どの業務がRPAによる自動化に向いているかを見極め、現場と積極的なコミュニケーションを取って業務内容の詳細を聞き出すのも彼なら出来るだろうと思いました。現在はRPAに関するほとんどの業務を日吉さんにお任せし、時々進捗状況について報告してもらう形を取っています。


日吉氏:最初の頃、情報システム部門からセキュリティやメンテナンスにおける課題を指摘され、RPA導入がなかなか進まない事態に陥りました。しかしひたすら熱意を伝えたり、「パーソルのRPA」の担当者からのアドバイスを実行することで、納品書を発行する業務を自動化することが出来ました。

正能氏:RPAの導入を成功させるためには、関連部署や外部の専門家を巻き込むことや情報を取りに行くための積極的な姿勢がポイントになると思います。日吉さんには今後RPAを社内に広く展開していく段階でも活躍してもらえると期待しています。

まとめ

中小企業におけるRPA導入には、セキュリティやメンテナンスなど様々な面で課題があると言えます。しかし経営層がRPAに理解を示し、信頼出来る推進担当者に関連部署や外部の専門家との連携を任せることでRPA導入を推進することが可能です。

後編では、RPA導入を情報システム部門に理解してもらうために苦労した点や工夫した点についてご紹介します。

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