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業務選定と可視化をスムーズに行うコツとは?

左:富士ゼロックス東京株式会社 鷲頭 天胤氏
右:富士ゼロックス東京株式会社 山井 武志氏

自動化する業務の選定と可視化はRPAを導入する上で欠かせません。どの業務を自動化するかは投資対効果を算出する上で重要ですし、業務を可視化することはロボットに業務フローを落とし込むために必要です。

これから前編と後編に分けてご紹介する富士ゼロックス東京株式会社の事例では、社内にRPAを推進するための体制を構築し、他部署と協力しながらRPA導入を推進する仕組みを整えることで業務選定と可視化の課題を解決しています。前編となる今回では、RPAを導入した背景と自動化している業務、業務選定と可視化をスムーズに行うコツについてご紹介します。

お話は富士ゼロックス東京株式会社 広域サービスサポート本部 サービス管理部 サービス管理グループの山井武志氏と、同グループの鷲頭天胤氏に伺いました。

人手不足とデジタル化によるデータの増加がRPA導入の背景

富士ゼロックス東京株式会社 山井 武志氏

――RPAを導入した背景について教えてください。

山井氏:当社では主にオフィスコピー機の販売及びサポート事業を展開しており、コピー機に関連した様々なソリューションの提供も行っています。当社のサービス部門では、顧客満足度向上と従業員満足度向上を目的とした様々な施策を行っています。


部門にはマネージャーが80名程いるのですが、昨今の人手不足により一人当たりの作業量が増加しています。また、デジタル化により扱うデータが多種多様化、煩雑化しているため、集計に時間がかかり付帯業務が発生してしまっていました。マネージャーの負担を軽減する方法はないだろうかと模索していた時、RPAを知ったのです。

RPAを使えば、デジタル定型データのロードを削減する「省力化」による従業員満足度の向上と、創出された時間で顧客サービスに注力する「増力化」による顧客満足度向上を実現出来ると考え、導入を決めました。

データのダウンロードを自動化し、マネージャーの負担を軽減

左:富士ゼロックス東京株式会社 鷲頭 天胤氏
右:富士ゼロックス東京株式会社 山井 武志氏

――現在どのような業務を自動化していますか。また、どういった効果を実感されていますか。

山井氏:マネージャーがマネジメントに使用する、データの集計作業を自動化しています。これまではスタッフがデータを毎日手動でダウンロードし、マネージャーへ月2回データを提供していました。しかし、データの提供タイミングと使用タイミングが合わないため、結果的に約80名のマネージャーが個々にダウンロードを行っているような状況でした。


RPAを導入し、データをダウンロードする業務を自動化しました。データの提供を毎日行えるようになり、スタッフの生産性が向上し、マネージャーの負担も軽減されました。また、定年退職を迎えるスタッフがいて人員減少が予想されるため、RPAを導入したことは人材不足問題解消にも役立ちました。

鷲頭氏:データの集計作業を自動化するロボットは、現時点では約80名のマネージャーのうち67%が利用しています。データ業務を週に1回、月4回行うとなると年間で約3,280時間かかるのですが、すべてをRPAで自動化するとその10分の1の年間328時間で済む計算になります。今後はさらにRPAに対する理解を周知させ、利用を促していきたいと考えています。

推進体制を構築し、自動化する業務の選定と可視化を行う

左:富士ゼロックス東京株式会社 鷲頭 天胤氏
右:富士ゼロックス東京株式会社 山井 武志氏

――RPAを導入する上で、課題となった点や苦労した点について教えてください。

山井氏:RPAの導入では、影響度合いの高い業務を抽出し、業務フローを理解した上で、自動化することでどのくらいの効果が見込めるかを明確にしなければなりません。

これを実現するために、他部門と協力しながらプロジェクトを発足し、推進体制を構築しました。体制は大きく「利用チーム」と「開発チーム」に分けられており、定期的なミーティングの場を設けて業務マッピングを行い、影響度の高い業務の抽出をして、業務フローの棚卸を行いました。


鷲頭氏:「開発チーム」の私たちにとって、業務の詳細について理解しているマネージャーから直接意見を聞けるミーティングは貴重な機会です。「利用チーム」からのフィードバックについて検討したり、使いやすいようにデータを作り直したりしています。「開発チーム」では、幅広いフィードバックに対応するために社内研修や外部の研修に参加し、スキルアップを図っています。RPA導入前に参加した「パーソルのRPA」の研修は、他の部署のメンバーにも参加することを勧めています。

推進体制はオーナー、IT活用統括者、ロボット管理者、RPA開発者、RPA利用者で構築されています。推進体制の構築は社内統括部門から提案されました。RPA導入の話が出た時に推進方法について社内統括部門に相談したところ、個人の活動ではなくプロジェクトとして進めるようにとのアドバイスを受けたため、RPAの導入推進はガイドラインに従いながらプロジェクトとして行っています。

まとめ

あらかじめ部署間で協力出来る体制を整えておくことは、自動化する業務の選定と可視化を行う上で有効です。業務についてのヒアリングを推進担当者が一人で行うのは時間と労力がかかりますが、チームを組むことで負担を減らすことが出来ます。会社や自動化する業務の規模に応じて、どのような体制で推進するのが最適なのかをあらかじめ考えておくようにしましょう。

後編では、ガイドラインに従ってプロジェクトとしてRPA導入を推進することについてお伝えします。

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