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RPA導入の課題と推進のために必要なこと

左:株式会社インターワークス 小笠原 泰樹氏
中央:株式会社インターワークス 野口 剛氏
右:日本データビジョン株式会社 永井 研祥氏

RPAの導入では、自動化する業務を選定し、可視化することがポイントになります。しかし、実際には思うように進まない場合もあるようです。

これから前編と後編に分けてご紹介する企業の採用代行を業とする日本データビジョン社(以下:日本データビジョン)の事例は、導入時の課題を乗り越えてRPA導入を推進している点が特徴です。今回の前編では、どのような背景からRPA導入が決まり、どのような点で苦労したのか、RPAを推進するために必要なことは何かについてお伝えします。

お話は、日本データビジョンのグループ会社である株式会社インターワークス IT戦略本部 本部長の小笠原泰樹氏と技術部 部長の野口剛氏、日本データビジョン株式会社 経営管理部 管理グループの永井研祥氏に伺いました。

トップダウン形式によるRPA導入

左:日本データビジョン株式会社 永井 研祥氏
中央:株式会社インターワークス 野口 剛氏
右:株式会社インターワークス 小笠原 泰樹氏

――RPAを導入することになったきっかけについて教えてください。

永井氏:繁忙期前のキックオフで当時の社長からRPAを導入することにしたと伝えられました。

まず、当時私が所属していた部署で導入し、そこから手探りで始めました。その後、岸本さん(「パーソルのRPA」RPAエンジニアの岸本雄太郎氏)にサポートとして来てもらうことになりました。


――現在はどのような体制でRPAを推進していらっしゃいますか。

小笠原氏:私と野口さんが所属する株式会社インターワークスが、グループ会社である日本データビジョンからRPA関連業務を請け負っています。現在は私がIT戦略本部の本部長として全体を統括し、野口さんが技術部部長として現場をコントロールしています。開発などの依頼は永井さんから伝えてもらい、岸本さんを含めた4名で週に1回定例ミーティングを行っています。

労働集約型ビジネスモデルの課題をRPAで解決する

株式会社インターワークス 小笠原 泰樹氏

――トップダウンでのRPAの導入が決まったということですが、背景にはどのようなことがあったと思いますか。

小笠原氏:日本データビジョンはもともと労働集約型のビジネスモデルなので業務量が多く、残業が常態化していました。このような長時間労働が当たり前となっている状態を会社全体として改善しなければ、今後さらに深刻になる人材不足に対処出来ないのではないかといった危機感がありました。


野口氏:日本データビジョンは他社の採用事業を請け負う採用代行業務を行っており、RPAによる自動化が向いている業務が多いことも理由の一つだと思います。例えば新卒採用に学生が応募した際のデータを基幹システムに登録する業務をRPAを使って自動化しています。

また、クライアント企業の採用フローは似ていることが多いです。RPAで自動化すると、1体のロボットでA社、B社、C社のデータベースを管理することが出来ます。RPAを導入することで長時間勤務が解消され、業務改善が見込めるという判断があったのだと思います。

RPA導入で苦労した点と推進のために必要なこと

日本データビジョン株式会社 永井 研祥氏

――RPAを導入する上で苦労した点はありますか。

小笠原氏:最初はなかなかうまくいかなくて大変でした。現場は仕様書を作ることに慣れていないので、業務フローを口頭で説明してもらって自動化したところ、出来上がったロボットが思っていたものと違うと言われることが多かったです。

それから、クライアントのシステムを操作する業務が多いためにシステム側で予期せぬ改修があり、ロボットがエラーを起こして止まってしまうことが度々ありました。


――そういったことを改善するためにどのような工夫をされましたか。

小笠原氏:まずは仕様書の体裁にこだわらず、現場の社員が作りやすい形で作成してもらうところから始めました。RPAの開発に関わり始めてから1年ほどになるのですが、1年経ってようやく現場の社員が仕様書を作ることに慣れてきて、決められた体裁で提出してもらえるようになりました。それに伴ってロボットを管理することも出来るようになってきていると感じています。

ロボットの稼働に関しては、エラーが起こった時の対処方法を溜めてノウハウとして活用しています。また、一連の業務すべてを自動化するのではなく、自動化に向いているところとそうでないところの切り分けを行うことで、以前よりもエラーで止まることが少なくなりました。

――これからRPAを導入する企業に向けてアドバイスをお願いします。

永井氏:私たちは、RPAを導入するステップについての理解が浅かったのだと思います。トップダウンにより先の見通しが無いまま導入したので、自動化に向いていない業務まで自動化してしまい、結果的に使われないロボットが大量に作られました。また、業務の可視化が出来ていないためにうまく動作せず、誤ったデータを送信し続けるロボットもありました。さらにロボットの管理方法を決めていなかったので、とりあえず動くロボットだけを動かしていたような状態でした。

これからRPAを導入する場合は、最初にRPAで何をしたいのかを現場に説明することをおすすめします。RPAは人の仕事を奪うのではなく、人の仕事を楽にするものだと分かってもらうことで、現場に協力してもらうことが出来ます。また、どの業務を自動化するかを含め業務の可視化をきちんと行うことも大切です。ロボットを管理するプロセスについてもあらかじめ決めておくと良いと思います。

まとめ

トップダウン形式にはRPA推進を強力に推し進められる利点がある一方で、現場の理解がすぐには得られない可能性があります。RPA導入を成功させるためには、現場に理解してもらいながら業務の選定や可視化を行い、ロボットの管理方法などについてもきちんと決めておく必要があります。

後半では、現場を巻き込みつつチームワークでRPAを導入することについてご紹介します。

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