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11業務をRPAで自動化!RPAによる業務改善のコツ

清水建設株式会社 笹島 巌氏

清水建設のRPA導入事例についてご紹介する記事の後編です。前編では、RPAで建設業界の課題への取組みについてお伝えしました。続く後編では、業務改善を成功させるための秘訣にフォーカスします。

前編に引き続き、清水建設株式会社 横浜支店 生産推進部 総務センターの笹島巌氏にお話を伺いました。
>>【参考】RPAで建設業界の課題へアプローチ――清水建設の事例

担当者と自動化対象業務の選定

清水建設株式会社 笹島 巌氏

――前回のお話で、現在3部門において11業務をRPAで自動化されているとお聞きしました。各部門の担当者はどのようにして選ばれたのですか。

笹島氏:当初の予定では担当は二人にする予定だったのですが、育児のため時短勤務を行っている従業員にも声をかけたところ、担当業務の生産性向上につながるのであればと、快く引き受けてもらえました。この担当者はRPAを使って、普段1・2時間かけて行っている業務を自動化することができたので、働く時に気持ちに余裕が持てるようになったということです。


――自動化する業務を見つけるためにはどのようなことが大事だと思われますか。

笹島氏:定型かつ大量のデータ処理を行う業務がRPAによる自動化に向いていると渉里さん(パーソルプロセス&テクノロジー 渉里恵氏)に教えていただいたので、当てはまる業務を支店内で探しました。

内勤部署の社員にヒアリングをした結果、条件に当てはまる業務が2種類選出されました。渉里さんに業務内容を見ていただき、RPAによる自動化が可能ということでしたので、自動化することを決定しました。

自動化対象業務を見つけるには、現場を巻き込むことが重要だと考えています。今後現場の担当者を集めてロボットの発表会を行うことを計画しています。自動化処理の様子を実際に見せることで、様々な業務が自動化出来ることに気づいてもらいたいと思っています。

業務を可視化し、業務ごとに自動化の方法を選択

清水建設株式会社 笹島 巌氏

――RPAによって業務を自動化する際に工夫されたことはありますか。

笹島氏:マニュアルがなく、属人化している業務が多かったので、まずは業務の可視化を行いました。PCで作業しているところを渉里さんに見ていただき、作業の一つひとつを記録して業務手順書を作成しました。


業務手順書をもとにして中村さん(パーソルプロセス&テクノロジー 中村典正氏)にシナリオを作成していただいたのですが、ただ業務手順書通りにシナリオを作成するのではなく、ここをこのような手順にした方が良いですよとか、このようなデータを揃えた方がうまくいきますよ、といった業務改善のアドバイスもしてくださいました。アドバイスから良いシナリオを作ろうという気持ちが伝わってきましたし、非常にありがたかったです。

実際のところ品質も素晴らしくて、今動いているシナリオはまだ1度もエラーで止まったことがありません。納品前に何度もテストをしていただき、さらに納品直前にもテストをしていただいたので、きちんと動くという確証を得ることが出来ました。

――他に工夫されたことはありますか。

笹島氏:複数のRPAツールを導入し、自動化する業務に合ったRPAツールを使うようにしています。RPAツールにはそれぞれ得意不得意がありますし、日々進化していますので、積極的に情報を収集することを心がけています。

また、せっかくRPAを導入するのだから、一連の業務の流れをすべて自動化した方が良いと考えがちです。しかし、すべてをRPAで置き換えてしまうと、業務フローが変更になった時に手間がかかったり、保守が大変になる場合があります。そこで、自動化に適した部分までをRPAで自動化し、それ以外のところは人が行うという、RPAロボットと人が協働するような仕組みを作りました。

RPAロボットと人が協働する仕組みについては中村さんからアドバイスをいただきました。中村さんと現場の担当者が連携して業務の自動化を進めていたのですが、弊社の現場の担当者と同じくらい中村さんが業務内容について詳しいのではないかと思うことさえあります。それくらい弊社の業務について深く理解してくださっていると思います。

今後の展望

清水建設株式会社 笹島 巌氏

――今後RPAによる自動化をさらに拡げることも検討していらっしゃいますか。

笹島氏:自動化する業務を拡大したいと思っています。担当者から「こういった業務もRPAで自動化したい」という声が上がってきていますので、「パーソルのRPA」で技術的に自動化が可能かどうかを確認しながら、AI-OCRなどの他のテクノロジーと連携して自動化を実現し、生産性向上を推進していきたいと考えています。

まとめ

RPAによる業務改善を成功させるためには、担当者や自動化対象業務の選定が大切です。業務の選定や保守体制の整備について不安がある場合は、外部の専門家に相談してみるのもおすすめです。多くの事例を経験している専門家ならではのアドバイスがもらえます。また、業務内容について深く共有するなどしてお互いに信頼関係を築いておくと、いざという時に頼りに出来るでしょう。

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