時間外労働の詳しい定義は?新しくなる上限規制についても解説!

「働き方改革」「ワークシェアリング」「ワークライフバランス」など、労働に関して新しい言葉が話題となっています。これは、時間外労働を少なくしようという取り組みの1つです。時間外労働は、「ハードワーク」「過労死」などを連想させる、マイナスなイメージがあります。

しかし、時間外労働をできるだけなくそうと動き出している企業も少なくありません。ここでは、時間外労働の定義をはじめ、新しく変更される時間外労働の上限、時間外労働を発生させないための対処方法などについて紹介します。

1.時間外労働の定義は?

時間外労働を定義するためには、「法定労働時間」「所定労働時間」について理解する必要があります。法定労働時間・所定労働時間・時間労働については、以下の通りです。

法定労働時間 国で定められた労働時間(1日8時間・1週間40時間)のこと。
所定労働時間 会社独自で法定労働時間内に出勤・退勤時間を決めること。
時間外労働 法定労働時間を超えた時間のこと。

総括すると、法定労働時間内に収めるために会社が所定労働時間を決め、法定労働時間を超えた場合の労働を「時間外労働」といいます。

会社によっては、1日の労働時間が7時間や8時間、週に5日間勤務や6日間勤務など、規定は様々です。労働時間が週40時間(法定労働時間)を超えていなければ時間外労働は発生しませんが、週40時間を超えた場合は時間外手当の支払いが必要となります。

しかし、時間外労働の定義が例外となるケースもあります。例えば飲食店などのサービス業は、忙しい時期と忙しくない時期があり、時間外労働には時間外手当を支払わなければなりません。忙しくない時期は所定労働時間を減らし、忙しい時期に所定労働時間を増やすことで、労働時間を減らすことができます。このように変則的な労働形態のことを「変形時間労働制」といいます。

2.新しくなる時間外労働の上限変更について解説

法改正によって時間外労働の上限が変更となりますが、改正前と大きく違うポイントは「法的強制力がある」ことです。違反すると労働基準法違反により、罰則が科される可能性があります。この改正の施行は、大企業では2019年4月ですが、中小企業は2020年4月からとなります。

ここでは、時間外労働に関する「36協定」と、具体的に時間外労働の上限がどのように変更したのか詳しく説明します。

2-1.36協定とは?

時間外労働をさせるには、労働者と使用者が協定を結ぶ必要があります。これを「36協定(サブロク協定)」、正式には「時間外・休日労働に関する協定届」といいます。以下は、36協定を分かりやすく表にしたものです。

【36協定】

  • 1日8時間、1週間に40時間を超えて労働(時間外労働)させる場合
  • 法定休日に労働(休日労働)させる場合

【効力を持たせるためには】

  • 労使間で書面による協定を締結すること
  • 労働基準監督署に届け出ること

上記で分かるように、労働者に法定労働時間を超えた労働や休日労働をさせる際は、あらかじめ「書面による協定」を締結し、「労働基準監督署に届け出る」ことが定められています。

しかし書面による協定を締結せず、労働基準監督署に届け出ることを怠った上に時間外労働をさせた場合は、労働基準法違反として6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます(労働基準法109条)。

2-2.上限規制はどう変わる?

改正前は、実質的に法律上の時間外労働の規制がありませんでした。改正後は、法律で時間外労働の上限が決められ、これを超える労働はできなくなります。

原則的に時間外労働は「1日2時間程度」で、月にすると「45時間」年間で「360時間」です。法定労働時間は、改正前と変わりなく「1日8時間・週40時間」となります。

しかし例外もあり、特別条項付きの36協定を届け出ていれば、以下のような労働が可能となります。

  1. ①時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
  2. ②年に720時間以内
  3. ③時間外労働と休日労働の合計について、「2ヶ月平均」「3ヶ月平均」「4ヶ月平均」「5ヶ月平均」「6ヶ月平均」が全てひと月当たり80時間以内
  4. ④時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年に6ヶ月が限度
(出典:厚生労働省「時間外労働の上限規制」https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf

特別条項の有無に関わらず、1年を通して時間外労働と休日労働の合計は月に100時間未満で、2~6ヶ月の平均が80時間以内にする必要があります。これを超えると、前述した労働基準法違反により罰金が科せられるため、きちんと勤怠管理を行うことが必要です。

3.時間外労働を発生させないための対処方法

時間外労働をさせると罰金が科せられることは分かりましたが、定められた労働時間を超えないための対処方法はあるのでしょうか。以下は、様々な企業が独自で早期帰宅を促すために取り組んでいる対策例です。

時間外労働の貼り出し 個人の時間外労働時間を公表することで、「残業は恥ずかしいこと」と認識させ早めの帰宅を促す。
朝方勤務の奨励 午後8時以降の労働を禁止し、早出勤務をした場合は割増し賃金や軽食を支給することで時間外労働を減らす。

上記で分かるように、時間外労働を減らすことに向けて様々な工夫が施されています。しかし、業務の見直しや支援が行われていないため、時間外労働をしないための対策による成果を上げることは難しいといえるでしょう。

ここからは、時間外労働を発生させないための対処方法を詳しく解説します。

3-1.仕事に関連する負担を軽減する

仕事に関連する負担を軽減するためには、仕事量の適正化、労働時間を短縮できる仕組みや対策を行うことが必要です。例えば、1人の労働者が多量の仕事を抱えている場合、業務を分散させることで効率的に仕事を進めることができます。

さらに、在宅勤務やリモートワークを導入することで、通勤などの業務以外に充てられていた時間や活力を仕事に活かすことができるでしょう。混雑した電車に乗らずに、出社時間を調整できる「フレックスタイム制」が合う労働者もいるはずです。

また、育児中の女性は子どもの預け先がないために、培った能力や働きたいという意欲が無駄になるケースもあります。妊娠や出産、介護で退職することが多かった優秀な人材を、在宅勤務や短時間勤務などの多様な働き方を導入することによって、確保できる可能性が高まり、生産性の向上が期待できるでしょう。

このように、業務の分担や在宅勤務・リモートワークを導入することで、時間外労働が是正される近道となります。

3-2.勤怠管理ツールを導入する

時間外労働を減らすためには、労働者の勤務状況を把握する勤怠管理ツールを導入するといいでしょう。煩雑な労働時間や時間外労働の計算など、勤怠管理ツールを利用することで超過勤務を把握し、労働時間の短縮や労働環境の改善に繋がります。さらに、労務管理者の負担も軽くなるでしょう。

では、具体的にどのようなツールがあるのでしょうか。昨今の勤怠管理システムツールは、パッケージタイプとクラウドタイプの2種類があります。

パッケージタイプは企業が準備したサーバーにシステムが入ったソフトをインストールして使用し、クラウドタイプはインターネットサーバーからソフトを利用して管理を行います。

以下は、2つのタイプのメリット・デメリット、選ぶ際のポイントをまとめました。

パッケージタイプ
メリット
  • 自社のサーバーですべてのデータを管理できる
  • 月額費用が安い
  • 現在の就業管理を引き継げる
デメリット
  • 初期費用がかかる
  • 社内にシステム管理を行う人材が必要
選ぶ際のポイント 社員数が多く、データを外部に出したくない場合におすすめ
クラウドタイプ
メリット
  • 初期費用が抑えられる
  • 短時間で導入できる
  • 担当コンサルタントが相談やフォローをするサービスがある
デメリット
  • 労働者の数や利用期間によってコストがかさむことがある
選ぶ際のポイント システムの運用を業者に任せられるため、業務効率が上がる

人事部にとってはクラウドタイプが楽といえますが、企業の規模や労働者数によって利用価値が違うため、慎重に選ぶ必要があります。これらのツールをうまく利用して時間外労働をなくし、業務の効率化や生産性の向上に繋げましょう。

まとめ

これまで行政指導の範囲だった時間外労働の規制が、「法的強制力を持つ」ように改正されました。違反した際、労働基準法違反により6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

時間外労働を少なく健全な労働環境を作り実績を上げるためには、業務の分担や在宅勤務・リモートワークを導入することが重要です。さらに、勤怠管理ツールを上手く利用することで、業務の効率化が狙えます。時間短縮を促すだけでは労働者の負担は改善されないため、自社に合った対策を考えてみましょう。

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