採用管理を行うのは言うまでも人事担当者です。一口に人事といっても職務はかなり広範囲に及んでおり山のような業務をこなしていく中の1つとして採用管理という業務があります。大変な分、やりがいもありますから地味な割には人気のある職務の1つです。
採用業務の最初の入り口は採用ですが、採用してしまえば責任満了とはいかず、採用業務もやるべき事が次々と出てきます。
“人事”というくらいですからヒトに関わると言うことはすなわちこういう事なのだと、人事業務をみていると納得できます。
例えばどのようなヒトを採用するかと言えば新卒者・中途採用・アルバイトないしパート・必要に応じて派遣社員、場合によっては身体障害者というように、年代層も就業スタイルも文化もまったく違う人たちが挙げられます。また、それぞれの採用プロセスや目的がありますから、別途対応が必要となる事から最初にしっかりした採用計画を立てる必要があります。
その計画のひとつとして、自社の概要や名前をしってもらうためにもに出展する就業フェアがあります。
場所の選定・会社資料準備・開催告知・備品準備・リハーサルを経て開催そして参加表明してくれたヒトへのフォローメール、これに加えて会社説明会が開催される事もあります。
ここですぐに面談に進む場合もありますが、就業フェア同様の作業が行われた後に、エントリーあるいは試験案内がなされ適性試験へと進む場合も多くあります。その場合、会場設定・案内・受験者管理・合否が判定されてそれぞれに通知、という具合にいくつもの過程を踏んで後、一次・二次場合によっては三次面接と対象者が絞り込まれてようやく内定となります。
さらに承認されるための内定会議が必要で内定者への通知と研修などいくつもの段階をここでも踏んでようやく就業となります。
人事の仕事はこれだけではありません。仕事になれて役立つ人材となるための教育や心理的サポート・労務管理・仕事の評価と判定というように就業した後も親のように寄り添い支えていく粘り強い仕事なのです。
採用業務だけでも就業フェアから始まって就業にたどりつくまでに9つから10の段階を経て行われますが、就業した後も採用した社員が会社に根付いて評価を上げるまで人材を育てていくのも人事の仕事です。この間にいくつかの課題が生じます。すでに業務過多となっているケースも目立っていて早急な解決策が求められているのが現状です。
1つの採用業務が一段落したら必ず行われなければならないのは振り返りですが、十分にできていない実態があるのです。
採用業務を遂行するにあたってはどういった目的で、それによって何を実現したいのかが明確でないと採用業務は進みません。
そこで採用計画が設定されます。ここでは求められる人材と最もアピールしたい事が明確化されていくのですが、新卒者らの企業を見る目はかなりシビアになっていますから、最大限に自社の熱意が彼らに届かない事もあります。マッチングという言葉もあるようにせっかく採用となってもすぐやめていってしまう新卒者も多いのです。その場合、予定人員に満たないというケースもあります。
母集団をとにかく形成したいと焦る割には、歩留まり率が上がらないと苦悩している企業が圧倒的に増えています。その背景にはデータ管理がおいついていないという現状があります。企業が採用管理を行っていく過程はあたかも販売会社のようです。母集団を形成していく作業の1つはポータルサイトを作成する事ですが、ページビュー数を含めて効果分析が十分に出てきていない事もあります。
説明会またはセミナーを行うにしても一目瞭然ですが、コストがかなりかかっていますし、集客のための手間も相当なものです。一番の問題は採用管理をEXCELで行っている事で、セキュリティーへの不安が常につきまといます。また、担当が変わる都度の相互の情報共有が不十分な場合も目立ちます。他にも、内定者へのフォローも十分でないなど、様々な要因から多数の辞退者を出してしまっているのです。
採用管理は自社の将来の担い手を発掘するために重要な部分であり、他の部署の機能に多大な影響を与えるものです。そのため、綿密な計画と採用力を求められる分野ですが、課題も多く適切な対策が急務です。ところが管理に使用しているのが脆弱性を指摘されているEXCELであったり、目視での確認である事に加えて、採用管理を任されている人事担当者が抱える業務も山のようにあり、他の業務の傍らで採用業務が行われているというのが現状です。
それでも紙情報だけですませていた頃と比較すればまだパソコンが活用できる分だけ、整理がしやすくなった点は評価できるものの、IT機器にうとい者が担当した暁には必ずや取りこぼしなどミスが生じやすくなります。また、膨大なデータの中から該当者を割り出さなければいけない手間もあり、採用通知を出すまでの期間に時間のロスが発生してしまいます。
そして、それがまた新卒者の歩留まり率を下げてしまう現状につながってしまうのです。予定人員に満たないという事はとどのつまり目標を達成できなかったという事ですから、追加募集を余儀なくされます。そうなると振り出しに戻る事となり、コストが加算される事になります。
こうした深刻な人材不足の背景には少子化問題も絡んでいますから、女性が子育てをしながら働ける環境整備が必須となります。
就職フェアやセミナーは採用という名の商品をお客様である新卒者に選んでもらうための激しい戦いが会場に展開される事にもなり、いかに他社との差別化を図るかという、別の意味での作戦をたてなければなりません。そのため、複雑に入り組んだ業務を一括にまとめてくれるシステムが必要です。