
現在ドローンは安全性、各種申請から運航管理システムへの接続、運営方法等のガイドライン化、運航管理システムの技術観点から、ドローンが社会実装されるまでにクリアすべき課題が沢山あります。
一方、現代の日本は労働人口の減少、小口輸送の増加等を起因とするCO2増加、過疎化による地方都市、災害対応が喫緊の課題とされており、ドローンによる省エネルギー化が求められています。
日本では、様々な課題を解決し、ドローンを活用した安心、安全な社会を目指すため、国立研究開発法人であるNEDO※にて、「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」を実施しました。
ドローンの運航管理システムは、複数の無人航空機システム(UAS)を運用するオペレータ(UASO)間の飛行経路のコンフリクト等を調整する運航管理機能(UASSP)、UASSPの申請を承認してUASSP間のコンフリクトを調整する運航管理統合機能(FIMS)、さらにはUASSPやFIMSに気象情報や地図情報、通信用の電波情報等を提供する情報提供機能(SDSP)で構成されるアーキテクチャを検討、機能開発が行われてきました。
本研究のコンセプト図
ドローン運航者(UASO)がUASSPを利用またはFIMSに直接つなぐことにより、無人航空機に関する情報の一元管理が可能になります。この情報の一元化で、事前の飛行ルートの調整や衝突回避が可能となり、同一エリアで荷物の配送やインフラ点検、警備といった複数のオペレータが異なる用途(平時)で無人航空機を安全に運用することができます。
本プロジェクトを通じて、日本全国各地13地域で実証実験を行った結果をもとに、以下2点の報告書を作成しました。
ドローンの社会実装には、レベル4環境下の安全飛行やそのための運航管理システムの活用が必要です。
また、ドローンを各地域に浸透させる必要があり、ドローンの安全性を含めた住民からの理解や、
県や区市町村など自治体の受け入れが重要となります。
サービス提供者・サービスを活用する企業、自治体の3者が本報告書を用いることで、
同じ目線に立つことの一助となることを期待しています。
運航管理システムによって期待される、レベル4環境下で飛行するドローンによるビジネス提供のあり方を示しています。これにより、多くのドローン関連事業者・ユーザーが、今後のドローン運航の環境変化を見捉えて自社ビジネスの拡大に繋げることを目的としています。
災害対応の現場でドローンの活用手順や事前に準備すべき事項等について整理しました。
災害時におけるドローン活用では、防災関係機関やドローンに関係する民間企業等の協力が必要となるため、自治体職員だけでなく、それらの組織の関係者も利用者として想定しています。
「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」では、ドローンやロボットの活用による省エネルギー化の実現が期待されている物流やインフラ点検、災害対応等の分野において、これらの開発を促進するとともに、社会実装するためのシステム構築及び飛行試験等を実施してきました。
ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクトについて「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」の一環として、ドローンの運航管理システムの実用化に向け地域実証を行います。地域実証実施にあたり、計画や対応に必要となる情報をまとめたガイドラインをご提供し、運航管理システムを活用したドローンによるユースケースを検証し、ドローン並びに運航管理システムの導入メリットを選定・公開する事で社会実装への一躍となる事を目的とした実証事業です。
広域な被災地の情報収集(写真・動画情報、SfMによる地域のオルソ画像化、LiDARによる地域の3Dモデル化)、空からの音声による避難誘導(被災者の避難誘導)、および孤立集落等への緊急支援物資搬送を行う。
赤外線および可視光カメラによる熊の監視、および災害時の緊急物資と平時の小口物資輸送を想定して、金沢工業大学の白山麓キャンパス敷地内を目視内で飛行する。
水田の農作物育成状況確認や農薬散布、害獣の侵入状況確認、湖近辺や山間部における人命捜索、地域特産物や災害救助用品の輸送、橋梁やダムの調査点検、農業文化公園全体の測量、各地域の土砂崩れや道路状況などの調査確認を行う。
有人島への物資輸送、海水浴場や海上での海難事故の発見と捜索、漂着する海ゴミ調査、および農地作付け状況の確認を行う。
病院・薬局と連携し患者宅に近い診療所でのオンライン診療・服薬指導と処方箋医薬品配送、食品や日用品の配送、海獣(アザラシ)の個体数把握と捕獲および追い払い、密漁の監視、消波ブロックの沈下測量による港湾施設点検、太陽光発電施設のソーラーパネル点検を行う。
町有林における再造林地の苗木・獣害防護柵・土砂崩れ等の点検、隣町境界部の林道が未整備の町有林における森林資源量調査、山奥に居住する高齢者宅への医薬品や食料等配送、町内に点在する米の作付け場所への農薬散布等を行う。
町備蓄の感染対策グッズ・軍手・応急手当セット等の輸送(町役場から核となる避難所等へ)、川の氾濫や土砂崩れの危険性を有する山間集落の空撮による現状把握、および山間地域に点在する集落を結び生活必要物資の定期配送を行う。
災害時に孤立が予想される地域の集落や道路状況の確認および物資配送、富士市須津渓谷大橋の橋梁点検、大規模災害時に液状化が予想される地帯(富士市浮島地区および伝法地区)の状況確認を行う。
対馬の海岸空撮による海岸漂着ごみ調査、および対馬沿岸の海上空撮による漂流物調査を行う。
水害直後の迅速な情報収集(映像中継および写真撮影、レーザ地形計測)、災害対策本部への情報提供、および水害孤立避難所への救援物資輸送を行う。
ppt-sky_region@persol.co.jp
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