マーケティングからセールスの最適な役割分担とは?

Marketing Sales

市場環境が変化する中でマーケティング活動に注力する企業も多く見受けられる昨今ですが、マーケティング活動と営業活動の連携に課題のある状況が多いことも事実です。今回はその課題解決に向けたヒントとして、「マーケティングからセールスの最適な役割分担 」について執筆させていただきます。

当面する企業経営課題

本題に入る前に、現在の市場環境について再確認したいと思います。日本能率協会が実施する「第32回 当面する企業経営課題に関する調査」によると、企業が当面する企業経営課題は「収益性向上」「売上・シェア拡大」が上位にあがっており、最も課題視されている状況はここ数年変わらない状況です。

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市場や購買の変化

このような経営課題を持つ企業の購買活動の状況を確認してみると、2つの潮流が見受けられます。
まず第一に「購買環境が厳格化」しているということです。2015年に入り、アベノミクスで掲げられた政策により景気は改善方向に向かっており、企業状況も業績回復の傾向にあります。ただし、リーマンショックなど、過去失われた20年を経験している各企業はコストサイドの改善に向けて、以前と比較して調達内容の吟味や調達先の絞り込み、相見積の徹底など行うことで利益創出に繋げる動きが標準的となっており、購買調達の基準が高度化しています。これにより、購買に関与する部門や関係者が増え、購買プロセスが長期化、複雑化しているケースが多くなっています。
第二に「購買担当者の情報取得方法の変化」が挙げられます。これに関しては、購買活動における情報収集手段が営業担当者、展示会、カタログに加えWEBサイト、インターネット検索を活用するようになったことが大きな変化となっています。これにより、購買担当者の情報入手性の向上、情報入手手段の多様化が進みました。弊社調査では購買前に商材のことを知っている担当者が約80%などの結果も出ており、場合によっては自社の営業担当よりも顧客担当者の方が市場や商材について詳しいなんてこともよく見かけられるようになっています。

よくあるセールス活動におけるスタイル

これに対して、企業の購買活動が変化する中で商材・サービス提供側である営業担当者の活動はどうでしょうか?
営業活動において最もポピュラーなスタイルと言えば、一人の営業担当者が見込顧客開拓、醸成、案件制約、更には既存顧客に対するフォローまで担当する一気通貫型の活動スタイルです。おそらく、皆さんの会社でもこのスタイルが一番多いのではないでしょうか?このスタイルは優良顧客に対してはリレーション構築やロイヤリティ醸成を図りやすい最適な形です。一方で、一人の営業担当が営業プロセス全般を担うことにより営業成果が営業担当のスキルに左右され、営業パフォーマンス、営業効率が低下する可能性が大きいことも事実としてあります。

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マーケティング活動と営業活動の連携不足

もうひとつ、最近よく見受けらるようになってきたのが、マーケティング活動と営業活動の役割を分業するスタイルです。役割として見込創出~案件醸成はマーケティング担当、提案~成約は営業担当が対応する、一見、営業効率が高いモデルです。しかし、マーケティング担当、営業担当の役割定義が不明確、案件情報など共有不足により、分業体制が上手くとれず、マーケティング担当が創出した案件が放置される。営業担当は訪問しやすい顧客中心の活動をしがちなど、双方活動がうまく活かされないことも耳にすることが多いです。

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マーケティングと営業の活動連携のポイント

では、このような状況に対してどのように対処すればよいのでしょうか?
これについて、ここでは2点お話しさせていただきます。
第一に「マーケティング・営業プロセスの定義」です。各プロセスにおける顧客状態、自社の活動定義、入手情報などプロセス定義を行うことで、リード定義、案件定義、マーケティング担当、営業担当の役割定義などを行い、両担当者においてプロセス分業をすることが営業生産性の向上を実現する手段として考えられます。これにより、双方の役割において専門性を持った活動により品質の向上が可能となります。
第二にマーケティングオートメーション(MA)やSFAなどを活用した連携強化です。MAやSFAを連携させることで顧客担当者、案件情報の共有、管理をマーケティング担当、営業担当の間で行うことも最近では解決策の1つとなりつつあります。マーケティング活動におけるKPIとしてリード引き渡し数がありますが、リードの数ばかり重視されており、引き渡しっぱなしと言うこともしばしば。このような状況に対して、MAとSFAの連携を踏まえたマーケティング担当と営業担当の連携ができれば、引き渡したリードからの成約や確率の可視化、それを踏まえた営業担当からのリードの質に対するフィードバックなどの良い循環を生むことができます。また、営業担当も案件化した顧客担当者が購買活動として、メール開封、自社WEBサイトの閲覧、セミナー参加など案件化する前の情報を確認することで、顧客担当者の状況把握ができ、より効果的なアプローチができるようになります。また、MAを導入することでSFAの活性化も図れるケースもあります。

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上記に記載したことだけで、マーケティングと営業の連携における課題がすべて改善されるとは言い切れませんが、このような活動や取り組みがお互いの活動可視化や連携を生み、さらには信頼関係の醸成も図ることができ、結果的に強固な連携を生む重要な要素となります。ぜひ、チャレンジしてみてください。

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